こんにちは、タカヒロです。
私は2017年度「公立教員を休職して、イギリス大学院 MA TESOL」へ留学をしていました。
現職の先生方何名かから、
・どのような制度を利用して海外留学しているのか、
・渡英までどんな道のりだったのか
とご質問を頂きましたので、
今後海外での大学院就学を考えている先生方に、少しでも参考になればと自分の事例を紹介したいと思います。
Contents
教員の海外留学 どんな制度?
教員が留学に使用できる「自己啓発等休業制度」
制度としては、「自己啓発等休業制度」を利用させていただきました。
初めは文部科学省が定めている「大学院修学休業制度」への申請を試み、任命権者である県教育委員会に掛け合いました。
しかし海外への修学は「前例がない」という理由で断られてしまいました。
「他の都道府県では海外も適応されている!」と粘りましたが、駄目でした。
そこで、本校校長先生より、「自己啓発等休業制度」を紹介していただきました。
自己啓発等休業制度では、教職員としての身分を保有し、職務に従事しない形で、基本2年までの休業が可能です。
主な目的は、大学院修学や青年海外協力隊への参加等です。
なお、給料は無給ですが、修学に影響がない範囲、あくまで生活費、学費へのささやかなサポートという意味でのアルバイトは可能となります。
留学までの流れ
以下に渡英までの流れを簡単に紹介します。
2013.4 現職場に新卒初任者で着任
2015.3~ 教員としてどうステップアップしていきたいか考え始める
(どうしても海外へ行きたい!大学院?青年海外協力隊?とりあえずお金は貯めよう!)
2016.3 beo、 SI-UK、大学院留学フェア・説明会へ (大学院への意志固まる)
2016.4 校長先生へ初めての相談(一年半後に留学したい!)
2016.5 SI-UKさんを利用、ひたすら情報を集める、受験校の検討
2016.7~8 自己啓発等休業制度 書類準備(シラバスの全訳、動機エッセイ等)
受験校の決定、アプライの準備(願書、エッセイ、CV、推薦書2通、大学卒業証明書・成績証明書)、英語の勉強強化
2016.9 受験校へのアプライ
2016.11~12 Brighton大学, Essex大学 からコンディショナルオファー(仮合格)が届く、英語の追い込み
2017.1~3 IELTS受験(三度目でなんとかoverall 6.5を取得)
2017.3 自己啓発等休業制度 正式な許可が下りる
2017.4~ 留学準備、ビザの取得、手続き諸々
2017.7/20 現職場 一学期終業式
2017.7/22 渡英!
2017.7/25 pre-sessioal cource スタート!
ばたばたですね!以下に留学までの流れに関して振り返ってみて良かったことをまとめます。
留学までの流れに関して、振り返ってみて良かったこと
①一年半前に校長先生に相談を持ち掛けたこと
校長先生に様々な提案を頂けたことももちろんですが、学校の人事異動には時間が掛かります。
私が休職を頂くということはその期間私の代わりとなる先生を申請する必要があるということで、
一年半前というのはもはやギリギリに近いタイミングだったようです。
また、言ったからには何としても実現させねば!!と自分への強い戒めとなりました。
書類の申請等に関しても、
と回るので、とにかく時間が掛かります。
一つのやり取りをするのに、一週間は掛かります。
とにかく早めに相談を持ち出した方が良いかと思います。
最終的に提出した書類は、
です。
なお、2校受験の場合はそれぞれの書類が必要です。(ゆえに3校受験は諦めました…。)
書類作成だけで夏休みの大半が終了しました、、、。
②生徒と共に勉強できたこと
ちょうど2016.4~2017.3は中三の担任をしていました。
受験生である中三の生徒と、先生も受験生だと話をして、たくさん一緒に勉強しました。夏休みは早朝に教室を開放し、一緒に自習しました。
受験生の生徒が頑張っている姿に何度も感化させて、自分もやらねば!と思えました。
中三受験生へのサポート、担任業務、学年業務、生徒会、学級委員会、授業準備、小中連携の主任、部活、そこへ自分の受験、、、。
今思えば良くこなしたなと思いますが、ほとんど生徒に支えられ、一緒になって勉強に集中できたことが自分への大きな励みになりました。
忙しい教員にとって、いかに自分の勉強時間を確保していくかは重要な課題かと思います。
私は夏休みの早朝の時間帯、または学期中でも週一で今日は何が何でも早く学校を出る!という日を決めて、19時には学校を出てカフェに籠るという生活を続けて勉強時間を確保していました。あとは土日の部活後です。
まとめ
休職までの道のりは決して甘くはありませんが、
来年度戻る場所がありながら留学できるということは本当にありがたいことだと感じています。
来年度の不安要素なく勉強に集中でき、実際のクラスを思い描きながら勉強できます。
年度の途中に抜けるという学校にとっては極めて迷惑な行為にも関わらず、快く送り出してくれた職場の方々、校長先生、代わりに入ってくださっている先生には感謝しかありません。
他にも様々な形での休職兼海外留学が可能なのかと思いますし、
一つ言えることは、やる気と忍耐力があれば、現職教員でも海外留学は可能だと言うことです!
私が在学していたBrighton大学 MA TESOLは国際色豊かで、イギリス人は3~4割ほど、その他フランス、スイス、ドイツ、ポーランド、トルコ、サウジアラビア、ベトナム、タイ、中国、アルゼンチンなどから中高の先生、大学教授が集まっており、毎日様々な刺激を受けました。
日本人は私一人でしたので、日本の現状を客観的に見直し発表していくことが求められる、大変良い機会に恵まれました。
今後も一人でも多くの日本の先生方が海外留学を経験して、それぞれが身に着けた価値観、英知で日本の英語教育を発展させていくことを願っています。