Bright 英語教育

イギリス大学院でTESOL(英語教授法)を履修した、英語教育とイギリスをこよなく愛する高校教師が、英語教育、英語学習、イギリス留学関係、その他諸々を書き綴っていくブログです。日本のbrightな英語教育を思い描きながら…。

なぜ中学校教員は忙しいのか (中学と高校の比較)

久しぶりの更新となります。

実は留学期間を含め初任から6年間お世話になった中学校を3月に異動となり、4月から同じ県内の県立高校に赴任しました。中学から高校への人事交流の一環で、基本的に3年間高校勤務となります。中々レアなケースだと思いますが、中学教員から、高校教員となりました。多分人事課にとっては「この若僧、留学から帰ってきたと思ったら今度は高校希望だと!?ふざけてるのか?」と思われたかもしれませんが、希望してみるもんですね。しかも普通科の他に外国語科がある高校で、現在外国語科の生徒にも教えることができています。教材研究はゼロからスタートなので苦労していますが、非常にやりがいのある日々を送っています。

 

というわけで、今回は勤務に関して、これまでの高校勤務で衝撃だったこと、中学校と違うなあと感じたことを何点かまとめたいと思います。教員はやりたいけど、中学か高校か悩んでいる方などに少しでも参考になればと思います。なお、私自身中学校は一校の経験しかなく、高校も一校目なので、中学校と高校を一般化して述べるようなことは出来ません。中学校も規模や地域柄が様々で、高校も生徒の学力や特色は様々です。あくまで同じ教員が実際に一つの中学と一つの高校を勤務してみての感想です。

 

まず、平均してどんな一日を過ごしていたか(いるか)です。

 

【中学校での一日】

 (中三担任、サッカー部、生徒会主担当、学級委員会、修学旅行主担当、小中連携委員)
7:10 出勤 
7:30 朝練
8:15 勤務開始 

    (一日の授業4、5コマ、生活ノート点検で一時間、空きコマは1コマ)
15:50 授業終了
16:00 部活指導
18:00 完全下校、担任業務、学年業務、
20:00 帰宅

 

【高校での一日】

(高一担任、サッカー部、学年会計)
7:40 出勤 (朝練は生徒たちの自主練)
8:25 勤務開始 

    (一日の授業3、4コマ、生活ノート点検なし、空きコマは2~4コマ)
15:50 授業終了 
16:00 部活、学年業務
18:30 部活終了
18:45 帰宅

 

率直に、中学校の方がかなり忙しかったように思えます。18時に生徒が帰り、そこから業務を開始して、気が付くと20時、修学旅行など行事の前は基本22時頃、生徒指導が入り作業が出来なかったりして、ごくたまに零時を回る時もありました。別にだらだらと仕事をしているわけではなく、「ここまで今日やらないと明日を迎えられない!」と時間に追われながら頑張ってこれです。それだけ業務と突然の生徒指導が多いです。働き方改革が叫ばれていますが、今でも中学校現場ではこのように時間を使われている先生方が多くいるのが現実かと思います。

一方の高校では、これまでのところ21時以降に残ったことがありません。現在の勤務校には優秀な落ち着いた生徒が多く、生徒指導もあまりありません。一学期が終わりますが、クラスで大きなトラブル等はありませんでした。日中の空き時間に業務ができるため、基本的に部活が終わり次第帰宅でき、テスト前などで部活がない日は17時過ぎ頃帰宅できます。時間的な余裕も、気持ち的な余裕も全然違います。

 

どこからこの違いが生まれているのか。以下に感じたことをまとめます。

要因1 日中の時間的余裕が全然違う!

 中学ではただでさえ授業時数が多く(基本週20コマ?)、その上、担任を持っていれば生活ノートチェックで一時間かかります。一日の空きコマは1つあるかないかで、他の業務を日中に進めることは中々難しいです。一方高校は、授業時数に多少ゆとりがあり(週17コマ程度)、生活ノートチェックもないため、少なくとも一日2コマは他の業務に時間を使えます。

 

要因2 生活指導への意識が全然違う!

 中学では掃除、給食、更には昼休みも生徒から目を離せません。ともに生活をしているという楽しみはありますが、問題が起こることも多く、常に気が張っている状態です。どこでいじめ行動があるか、問題行動があるか分かりません。現在の高校では、多くの部分で生徒の自主性に任されているため、教師が目を張る必要はなく、問題もあまり多く起こりません(現勤務校ではいじめもけんかも今のところ聞いたことがない)。

 

要因3 学年業務の負担が全然違う!

前勤務中学は6クラス学年で、学年の先生方は9名でした。必然的に担任の先生も複数の学年業務を担います。一方現高校では、9クラス学年で、学年の先生方は18名いるので、一人当たりの学年業務の負担がかなり少ないです。また、成績処理などは、学年外の教務専属の先生方がメインで行ってくれますので、学期末の担任業務の負担も少ないです。

 

要因4 17:00に電話が切り替わる!

 さらに、高校で衝撃だったことは、17:00になると「ただいまの時刻は、電話対応をしておりません」と電話が自動音声に切り替わることです。そのあとの電話を取る必要が一切なく、業務に集中できます。これはちょっとしたことですが教員にとっては大変助かっています。中学校にも早く導入するべきではないかと思います。また、そもそも保護者からの問い合わせやクレームも中学に比べると圧倒的に少ないです。

 

このように、単純に業務の量で考えると、中学校教員の方が一人一人への負担が大きく、時間的にも気持ち的にも忙しかったように感じます。中学と高校を比べてみると、同じ学校なのにまるで文化が違っていてとても面白いです。もちろん中学ならではの良さもたくさんありますし、忙しい中でも保護者と近い関係を保ちながら共に生徒達を見守っていくことには本当にやりがいを感じます。どっちが良い悪いではなく、中学校の良さを高校に伝え、また高校の良さを将来中学に持って帰ってこれるよう、視野を広げてたくさんのことにチャレンジしていきたいと思います。