Bright 英語教育

イギリス大学院でTESOL(英語教授法)を履修した、英語教育とイギリスをこよなく愛する高校教師が、英語教育、英語学習、イギリス留学関係、その他諸々を書き綴っていくブログです。日本のbrightな英語教育を思い描きながら…。

英語を身に付ける必要はある?ない? パート①

 「せんせー、なんで英語を勉強するんですか?」

 英語を教えている方には馴染みのある質問かと思います。みなさんはどのように答えていますか?

 

 昨年度の話になりますが、中学2年生を担当していた際にこの質問をされました。今まで通り自分の考えを熱く伝えてもよかったのですが、なんだか押しつけがましい気がするなあと思い、それならば自分たちで考えてもらおう!と、ある決断をしました。

 そして、今一度「なんで英語を勉強しているのか」それぞれに調べてもらい、しっかり考えを持ってほしいなあという想いから、思い切って学年末にレポート課題を出してみました。

 

お題は 

 あなたは「将来に向けて、日本人は英語を身に付ける必要がある」と思いますか。そう思う(思わない)理由を以下の選択肢から2つ(もしくは3つ)のことを踏まえて、また下のフォーマットを元に日本語で論じなさい。 

 

【 AI、外国人労働者グローバル化、異文化理解、外国人旅行者、情報、翻訳機、SNS、コミュニケーション、世界遺産、世界共通語、習得時間、日本語、日本の伝統文化、グローバル企業 】

 

 フォーマットに関しては、

・【導入・Body1・Body2・(Body3)・結論】に分けること、

・それぞれのBodyにメインアイデアは一つずつだということ、

・それぞれの段落のトピックセンテンスを意識すること、

・主張をサポートするデータや引用を書くこと

などを踏まえて15分くらいで簡単にレクチャーしました。生徒からは「大学生がやるようなことじゃん、なんか面白そう」というぼやきが聞こえ、しめしめと思いました。確かに初めての取り組みで戸惑いを感じている生徒は多数いましたが、「知識の世界」だけでなく「思考の世界」があるということを示したかったので、中学生にしてショートエッセイを書くというのはいいきっかけとなったと思います。

 

 コンピューター室で自由に情報を集める時間を一時間、レポートの提出期限はそこから一ヵ月後としました。みんなよく取り組んでくれて、ユニークなレポートが沢山提出されました。

 

今回は「英語は必要派」のひとりの論文を載せたいと思います。

 

 私は将来に向けて日本人は英語を身に付ける必要があると思います。それどころか英語が話せないと生きていけないと思います。以下にその理由を述べます。

 まず始めに、産業構造の変化に対応するためです。総務省の発表によれば、自分たちが大人になるころには、総人口の約3分の1以上が65歳以上の超高齢化社会になるそうです。よく、「日本の産業は空洞化している」と言われますが、将来の日本は産業だけでなく国自体が空洞化する可能性を持っていることが分かります。そうなれば、若い人は仕事を求めて海外に行くことになり、日本も産業を保守しようとし外国人労働者を多く受け入れることになります。このことから分かるように、世界中のどこにいても英語が必要とされる世の中はすぐ近くにあると思います。

 次に、異文化を理解するためです。ではなぜ異文化を理解する必要があるのでしょうか。答えは自らを知るためです。そもそも、異文化を理解する目的は、「他者を知り、自らを知る」ということです。他国と自国を比べることにより自国に埋もれてしまった文化の素晴らしさを見つけることができます。そして、その文化を発信するためにあるのが英語です。しかし、英語が必要ならば翻訳機に頼ればいいじゃないかという人もいるかもしれません。確かにその考えは分かります。翻訳機を使えば、形式的なやり取りは成立するはずです。けれども、果たしてそれで異文化を理解したことになるのかと聞かれれば、それは全く別の話です。今日の日本は知りたいことがあるならインターネットを用いて簡単に調べることが出来ますが、本当の異文化を理解するためには自分自身で体験し、体感しなければなりません。翻訳機がいくら進化しても、入力された日本語を元に、決められた単語、文法を組み合わせて英語にするだけです。感動や素晴らしさは翻訳機でなく、自分の口でしか表現できません。従って、翻訳機に頼ってしまえばいいという考えは間違っているのです。

 さらに、自分の成長にも繋がります。ペンシルベニア州立大学のペン・リー教授の研究により、母国語以外の言語学習が、学習者の脳内ネットワークを構造的・機能的に強化することが判明しました。これは年齢に関係なく、脳力を鍛えられ、認知症予防にも繋がります。そして、すでに上に述べた2つの理由から、「母国語以外の言語」というのは中国語でも韓国語でもなく、英語なのです。

 以上のことから、英語を学習することは、自己の成長になるばかりでなく、異文化を理解ひいては自国を理解するということにも繋がっていくのです。機械などでは決して得ることの出来ない感動と素晴らしさを体感するためにも必要になります。来るべき「日本の空洞化」に備えるために英語の必要性を再度確認すべきではないでしょうか。

 

 

 どこからどこまでを引用しているのかはっきりしていない点は改善点ですが、3つの視点からたくさんのことを調べ、まとめてくれました。

みなさんはこの論文にどんな意見を持つでしょうか?