Bright 英語教育

イギリス大学院でTESOL(英語教授法)を履修した、英語教育とイギリスをこよなく愛する高校教師が、英語教育、英語学習、イギリス留学関係、その他諸々を書き綴っていくブログです。日本のbrightな英語教育を思い描きながら…。

英語を身に付ける必要がある?ない? パート③

日本人は英語を身に付ける必要があるでしょうか、ないでしょうか、第三弾です。

 

お題についてはパート①をご覧ください。

 

toyt810.hatenablog.com

 

 さて中学2年生に書いてもらった論文の中で、今回は10%くらいいた、「英語は必要ない」派の論文を掲載したいと思います。全体の中で10%くらいが「英語は必要ない」と感じているのはある意味自然だと思いますが、なぜ必要ないと考えるのか、感情だけでなく、その理由も考えて書き出してもらうことに意味があると思います。

 

 それではどうぞ。

 

 私は、将来に向けて日本人は英語を身に付ける必要がないと思います。以下にその理由を3つ述べます。

 まず始めに、今の時代、機械に頼れば日本語から英語に関単に翻訳することが出来るからです。最近翻訳機という機械についての特集がテレビで組まれていたり、CMでもやっていたりするのをよく見ます。翻訳機のメリットについて調べてみると、「手軽に多言語を自国語に翻訳して読める」またその逆として「手軽に自国語を他国語に翻訳して読める」と出てきました。100%正確な文に直すということは今はまだ出来ないかもしれないけど、今の時点でこのメリットがあるのなら、何年後かにはもっと技術が向上していてより正確に翻訳できるようになっていると思います。その何年後かというのは、私はすぐだと思います。現在の技術は本当に発達しているからです。機械だけで日本語を英語に、英語を日本語に完璧に翻訳できる日はすぐに来るはずです。

 次に、私は英語の習得時間がもったいないと思ったからです。「school with」によると、日本人が英語を習得するためには目安3000時間が必要ということが言われています。中学高校で1000時間程度英語学習に触れるということで、大学生以降は残りの2000時間の学習時間が必要です。1日1時間英語の学習をすると、習得に約5年間かかることになります。そこから私は、2000時間という長い時間を1つのことに使うより、2000時間という長い時間で様々なことを学んだ方がいいと思いました。その2000時間という時間をどのように使うかは人によって違うと思いますが、私はその時間を様々なことに使いたいと思いました。

 最後に、私たちは日本人であるので、もっと日本のことや、日本の言葉について知っておくべきだと思うからです。「Auroral Rays」の日本の時代区分の一覧表を見ると、日本には16の時代があることが分かります。私たちは、その自分たちの国の歴史を知れているでしょうか。また、日本語という言葉を正しくきれいに使いこなせているのでしょうか。全然何も知らないということはないと思いますが、まだまだ知らないこともたくさんあると思います。特に日本語というものは難しいと私は感じます。文法や語彙、表記など難しいと思わせる観点がたくさんあります。だから私は、例えばさっきの2000時間という時間で、このようなことも学びたいと思いました。

 以上のことから、私は日本の技術の向上とともに、自分たちの日本に対する知識や日本語に意識を持つべきだと思うので、日本人は英語を身に付ける必要がないと思います。

 

 

 これも立派な論文だと思います。点数としては満点の30点を付けました。「せんせー、なんで英語勉強しなきゃいけないんですか?」と聞いてくる生徒たちの意見がうまくまとまっている一例だと思います。習得するために相当の時間が掛かるし、日本語が疎かになってはいけない、日本の文化や歴史を守っていけない、その通りだと思います。

 

 授業では、これらいくつかの論文をみんなでシェアし、「英語は必要」派と「英語は不必要」派に分かれてディスカッションを行いました。お互いの考えを元に意見を交わし合い、英語学習に対して自分では気づかなかった点に気付いてもらう、これが大きな狙いの二つ目でした。上の論文を書いた生徒が、パート①②などの論文を読んで意見を聞いて、「翻訳機の限界」などについて、教えられることなく、自分で気づけていれば最高です。

 

 約200枚の論文のチェックはすごくしんどかった(期末テストとかと被せたらあかん!)ですが、生徒にとっては、やらされる勉強からの第一歩に繋がる取り組みになったかなあと思います。