Bright 英語教育

H30年度 イギリスブライトン大学でTESOL(英語教授法)を履修した公立高校教師が、英語教育について感じたこと・学んだこと、その他諸々を書き綴っていきます。 日本のbrightな英語教育を思い描きながら。

ALTとのTeam Teaching より良くするには

 

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 今日は勤務校のALTと一緒に、ALT SKILL DEVELOPMENT CONFERENCE(外国語指導助手の指導力等向上研修)という研修会に参加してきました。多くのALTは国が行っているJETプログラムという制度で日本に来ていますが、そのJETで来日している本県のALTとその学校の日本人英語教師(JTE)が対象の研修会でした。

 

午前中に大学講師によるレクチャーがあり、午後は3種類のワークショップという流れでした。朝から夕方までオールEnglishでなかなかタフでしたが、非常に内容の濃い研修会でした!

 

研修会を通して感じたことをまとめたいと思います。

 

ALTもJTEもそれぞれの良さを生かそう!

午前中のレクチャーの中では、「Use your strengths, be open about your weakness」という話が印象に残りました。

ALTとのTeam Teachingとなると、なんだか引け目を感じてしまって教室の後ろに下がってしまう先生も実際にはいるかと思いますが、全然引け目を感じる必要なんてなく、お互いの良さを生かして、お互いの短所を補い合えばいいよね、ということです。当たり前と言えば当たり前ですが、改めてそうだなあと思いました。

ざっくりそれぞれの長所と短所を書き出してみると、

 

ALTの長所

・ナチュラルな発音を示せる

・スラングも含め、実際に使われている英語を伝えることができる

・生徒達と違う文化の下で育っている

・微妙な表現のニュアンスの違いを伝えることができる

 

ALTの短所

・生徒がどこまで既習しているのか把握することが難しい

・深いこと、難しいことは中々伝えられない

・クラスで生徒と接する機会が限られている

・文法を教えることは難しい

・生徒がどこを理解していないのか、どこに引っ掛かっているのかの理解が難しい

 

JTEの長所

・難しい文法を日本語で説明することが出来る

・自身が外国語として英語を学んでいる経験がある

・日本の教育現場、現状を理解している

・生徒と触れ合える時間が長く、信頼関係を築ける

 

JTEの短所

・ナチュラルな発音を示すことが難しい

・英語の運用力に限度がある

・実際の使用場面や微妙なニュアンスの違いを示すことが難しい

 

などが挙げられます。多くの場合、ALTの長所はJTEの短所であり、ALTの短所はJTEの長所だったりします。ALTもJTEもぞれぞれの良さを把握して、足りないところを補い合えれば、それだけで授業の質は格段に上がると思います。発音や表現など、英語の細かい部分ではALTの長所が生きますが、授業全体のコントロール、(習熟度を考慮して)グループに分け時などは、普段から生徒をよく見ているJTEの長所が生きます。JETは自分にしかできないことを意識する必要があるし、自分には出来ないことを思い切ってALTにお願いする必要もあります。

 

 

ALTとのTeam teachingで気を付けたいこと

 午後のワークショップでは、生徒から意見を聞く際の工夫や、ディベートの取り入れ方、普段の学校生活についてなど、様々なトピックに関してALT、JTEがごちゃ混ぜのグループで議論し、ALTから貴重な意見をたくさん聞くことが出来ました。

 

 まず、ALTに任せるところは任せてほしい、ということです。ついついやってしまいがちになるのが、ALTが説明したことを生徒は理解できていないだろうと、すぐに日本語で補助を入れてしまうこと。これではアクティビティの流れを切ってしまいますし、生徒もどうせ日本語で言ってくれるだろうと期待してしまいます。そこはJTEは我慢して、生徒とALTを信じましょう。私はALTとのTeam Teachingの時はAll Englishでやりますし、説明で分かっていなさそうなときも英語で表現を易しく言い換える形で対応するようにしています。多分生徒は、この先生どうせこの授業は日本語使わねー、と日本語の補助を期待していません笑。

 

 次に、もっと出来る仕事を振ってほしい、ということです。ALT達の間では、Desk warming(職員室で机を温めていること)という言葉も生まれているようで、授業がないときのALTの役割に、改善の余地が大いにあるということです。行事や定期テスト等で授業がないときにはALTには仕事がなく、力を持て余らしているALTが多くいるのが現状です。じゃあ行事で役割を振って良いのか、掃除の分担に含めていいのか、となるとそれは難しいのでしょうが、ALTと連絡を密に取り合って、この日時間できそうだよ、という日が予め分かれば、そこに合わせてwritingの課題を行って添削をお願いしたり、必要な教材研究を手伝ってもらったりと、色々できるはずです。しっかり計画的にお願いすれば快く引き受けてくれる方がほとんどでしょうし、そこはJTE側がもっと神経質にならなければいけないなと感じました。多くのALTはさらにやりがいを求めているということはしっかり理解しないといけないと思います。

 

 

 2019年にはJETプログラムで57か国から5761人の外国人がALTとして日本に来ています。これだけ多くの人に日本で英語を教えてみたいと思ってもらえて何だか心温まります。JET以外にもALTを招致している会社はたくさんありますし、現在ほとんどの公立小中高校でALTと触れ合う機会が作られているということは本当にすごいことだと思います。生徒たちにとってみれば、初めて異文化に触れる体験になるでしょうし、英語を使ってみたい!と思うきっかけにもなり得ます。だからこそ、ALTが学校にいて当たり前、という風になってしまうのではなく、ALTにもっと活躍してもらうためにはどうすればいいのかを、JTE側が考えていく必要があると思います。