Bright 英語教育

H30年度 イギリスブライトン大学でTESOL(英語教授法)を履修した公立高校教師が、英語教育について感じたこと・学んだこと、その他諸々を書き綴っていきます。 日本のbrightな英語教育を思い描きながら。

教員の変形労働時間制!?

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12月4日、公立学校教員の勤務時間を年単位で調整する「変形労働時間制」の導入を含む改正教職員給与特別措置法が成立しました。

教員の働き方改革が待ったなしで叫ばれている中ですが、

なんだか凄い法律がしれっと決まってしまったなあ、、というのが率直な印象です。

現職の先生方に、そして教職願望のある方々に、果たしてプラスの制度となるのでしょうか?

変形労働時間制とは何なのか、どんなことが想定できるかをまとめたいと思います。

 

変形労働時間制とは?

文科省の説明によると、

変形労働時間制を活用して、「休日のまとめ取り」を可能にする。とのこと。

繁忙期の所定勤務時間を増やす代わりに、夏休み期間に連続5日間程度の休日を確保して、土日などと足して長期休暇を取れるようにするのが目的、とのこと。

具体的には、学期中の勤務時間を週3時間長くすれば、年間休日が15日間、週4時間なら20日増えますよね、それをどうぞ夏休みにまとめて取って下さいということ。

 

なるほどー。

確かに定時は5時なのにそもそも部活終えて生徒が帰るのが6時過ぎだし、その分を夏休みでカバーしてくれってことかー。

 

だがしかし、表にはあまり出てこない、こんな裏の声が聞こえてきます。

あ、そうそう、言っておくけど、それで業務内容が減るってことではないし、学期中の勤務時間延ばしたんだから、あとは学校でやりくりして残業は月45時間までにしてね。あ、ちなみにその分の残業代は払えないから、よろしくね。

 

なんと、、、。

さて、学校ではどんなことが起きてくるのでしょうか。

 

学校は休みの制度が欲しいわけじゃない

地球の裏側まで聞こえるように声を大にして言いたいことは、

現場は休みの制度が欲しいわけじゃない!

実際に休める日が欲しいんだ!

ということです。

一言でいえば、夏休みに休める日が15日増えることはちっとも嬉しくありません。

だってそもそもMAX40日ある年休を使えるのはほぼ夏休みだけですし、夏休み中は夏季休暇を5日間とることが義務付けられているため、年休すらあまり消費しません。

今のままでは夏休みだってやることはたくさんあって休める日なんて限定されてしまいます。

つまり、感覚としては、ただ架空の休日15日が出来上がるだけ

これ、意味あります??

 

業務内容は減らない!?

業務内容が減らない、そこが一番の問題点かと思います。英語だプログラミングだ総合的な探求だ、、、時代の変化に合わせて教師に求められていくことが増えていく一方、内容を精査して、業務内容を減らしたり、外部に委託したりという動きは現場ではあまり感じません。それではいくら学期中の勤務時間を伸ばしたところで、残業を月45時間に収めることは無理に等しいでしょう。

おととしですが、公立中学校で勤務していた際、たまたま勤務実態調査の実施校になり、6月の勤務時間をタイムカード形式で調べる、ということがありました。

おお、この際だから、ちゃんと実態を伝えてやろうと思い、ちゃんと記録を取りました。

当時は3年生の担任をしていたこと、修学旅行の主担当をしていたこともありますが、記録は、、、

なんと平日の残業で月128時間でした。

それに土日の部活が加わります。

 

あれ?過労死ラインってやつは月80時間でしたっけ?

下手したら月に2回シンデマス。

 

これはたまたま私の残業が多かったというわけではなく、多くの先生方で同じような結果になっているかと思います。

別に趣味で学校に遅くまで残っているわけじゃなくて、業務が終わらないんですよ。終わらせないと翌日を迎えられないし、生徒たちに非があるわけでは全くないので、手を抜くことも出来ない。これが今でも多くの公立学校での実態だと思います。

さて、残業を月に45時間にする、、、業務内容を減らす具体的な政策がない中で、どうやって??

 

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制度を逆手に取る!

文句ばっかり言っていてもしょうがないですし、それは「従業員側」でいる限り避けられないので、ポジティブにも考えましょう!

使える制度は使えるだけ使ったらいいですよね!

私はこれまでに自己啓発等休業制度でイギリスに行ったり、小中連携で小学校を観たり、今は中高連携で高校で勤務していたり、普通じゃないことをやっています。

でも別にその権利があるんだからいいじゃないですか。使える制度は使いましょう!

今回の制度では夏休みにまとめて休暇とって差し支えないんですよね?

では、夏季休暇や年休と組み合わせて、一ヵ月海外旅行しましょう!日本一周をしたり、ボランティアに参加するのも良いかも知れません。

教員の資質向上にも繋がるでしょうし、リフレッシュにもなります。フランス人並みの夏のバカンスが取れる!そう理解してしまいましょう。

まずは教員自身がそうした意志を持つことが大切かと思います。

 

変形労働時間制を有効にするための条件

え、でも夏休みに休みとれないって自分で言ってたじゃん。

そうですね、それを可能にするためには条件が一つあります。

それは、

 

夏休みの部活動を全廃止にする。

 

大会も含めてすべての部活動を学期中に制限する。

なんだかんだで大会が夏休み中、特にお盆辺りにあったりするため、それに向けて練習に励みます。そのため、教員も頑張る生徒のために、時間を惜しまず部活に取り組みます。

これが大きな障壁になっているように思えます。

せめて夏休み中だけでも部活動の在り方が変わると、大きな変化が起こるかと思います。

これくらいの具体的な政策をやってもらわないと、変形労働時間制の意味がないですね。

教員に「夏休みに休んでほしい」という意図が本当にあるのであれば、ここまでやってほしいです。政府は教員の魅力に繋がればいいと言った発言をしていましたが、ここまでやらないのだったらバカンスは取れないし、魅力を伝えることは出来ません。

 

 

まだまだ問題は山積みですね、、、。

でもまあ、世間が教員の働き方に注目してくれているのはとてもありがたいことですし、色々な方に、先生は大変でしょう、と気にかけて頂けているのもありがたいです。

やりがいは間違いなくありますし、自分にとっては天職か!?とすら思える職業なので、多くの教職を目指す方に、そのまま教員を目指して頂きたいです。

教員の働き方に関して、今後の動きにも注目していきたいと思います!