Bright 英語教育

イギリス大学院でTESOL(英語教授法)を履修した、英語教育とイギリスをこよなく愛する高校教師が、英語教育、英語学習、イギリス留学関係、その他諸々を書き綴っていくブログです。日本のbrightな英語教育を思い描きながら…。

【現場教員の胸の内】 中・高で英語を教えてみて気付いたこと

f:id:ToyT810:20200421162954j:plain

 

私は中学校の教員採用試験を受けて採用され、中学校に6年間在籍していました(初任は5年で異動ですが途中1年休職して留学に行きました)。

しかし現在は「中学・高校間期限付き人事交流」という制度で、高校に勤務しています。

教育委員会の人事担当の方にとっては

「こいつ、、、留学から帰ってきたと思ったら、今後は高校希望かよ、、、」

と思われたかもしれませんが笑、制度は使ったもん勝ちでしょう。

というわけで、今は「中学校で育ってきた子たちが、高校でどう成長していくのかを見守る」ことが出来ています。

自分が勤めていた中学校からも数名進学する高校なので、

高校で、「よお、また会ったな。」的な状況が生まれていて、とても楽しいです。

 

この一年間、高校一年生の英語を担当してみて、「英語の中高連携」という面から、ギャップを感じたことをまとめたいと思います。

 

 

1  音声指導の一貫性がない

 「中学校の時にある程度の音声指導をされているかどうか」

ここに大きな差を感じました。

今勤めている高校は、偏差値でいうと60前後で、先生の言うことはちゃんと聞いてノートをとる真面目な生徒が多くいます。

きっと中学生の時も、授業にちゃんと参加して先生の言うことを素直に聞いてきたのだと思います。

しかし、4、5月にコミュニケーション英語の授業で、音声について大きな差を感じました。

私はリテリングの活動を多くやるのですが、最初に実施したときに、「あ、音声で再生することに慣れているな」、「全く慣れていないな」、と反応が大きく分かれました。

聞いてみると、「中学校でも似たようなことやりました」、という生徒と、「全くやりませんでした」、という生徒に分かれます。

そもそもの音読指導に関しても、自分でチャンク分けをしようとする生徒、チャンクって何?となっている生徒に分かれ、音声に関しても、フォニックスやりました、フォニックスって何?となる生徒に分かれます。

中学校で同じ時間の英語の授業を受けてきた同じくらいのレベルの子たちなのに、ここまで違うとは、、、というのが最初の印象です。

フォニックスを全く知らなかった生徒たちに、簡単なところだけ伝えると、「なんだ、めっちゃ便利じゃん、なんで知らなかったんだろ」という反応をします。

中学校の英語の授業でどんな音声指導、音読指導をされたかによって、高校に進学した時には大きな差になっています。

「簡単にフォニックスに触れる」、「自分である程度のチャンクに区切れるようにする」くらいの統一がされたらいいなあと感じました。

 

 

2 文構造の基本(SVOC)の定着に差がある

 上の音声面での差に比べたら、文法面はびっくりするくらい足並みが揃っています!笑
どの生徒も文法問題には解きなれているし、基本的な文法事項は抑えられていて、関係代名詞などの応用問題なんかはみんな同じように出来ません笑。

良い悪いではなく、ああ、やっぱり日本的なんだなあと感じました。

 しかし、その中でも差があるな、と感じたのは英作文をさせた時です。

さらさらっとある程度のまとまりのある文章が書ける生徒もいれば、まず主語に何を置いて良いのかが定まらない生徒もいます。

聞いてみると、中学校でSVOCを教えてくれた、という生徒と、SVOC全く初耳です!という生徒に分かれます。

中学校では文型に関しては必修事項ではないので、触れていなくてもOKなのですが、高校の「英語表現」という科目ではSVOCの文構造から入るところが多いかと思うので、全く知らないという生徒はいきなりちょっと出鼻をくじかれる思いをするかもしれません。

 中学校の段階で、簡単にでもSVOCに触れておくと、高校スタートの足並みがより揃うかと思います。

 

 

3 中学でやっていたコミュニカティブな活動が高校では出来ず、ギャップが生まれる

 3点目は生徒が感じているであろうギャップです。

中学校では先生たちは必死にインプット系の活動や歌などの帯活動を考えたり、文法の導入でもコミュニカティブな活動を授業に取り入れたりしています。

生徒が英語を話す、使うハードル下げようと様々な仕掛けを授業に盛り込んでいます。

研修会なども盛んです。この中学校の先生方の統一性はほんとに素晴らしいと思います!

 しかし、残念なことに、高校では授業のスタイルが各教員によってバラバラです。

若手の先生たちはグループやペアを組ませて活動を取り入れたりしていますが、ベテランの先生では、生徒がずっと前を向いている訳読スタイルの方がいます。

それぞれの先生方が、それぞれの方向性でより専門的に英語を教えられている、といえばそうですが、なんだか中学校のような一貫性はありません。

生徒からは「○○先生の英語、全然英語使わないからつまらない」なんて声がこぼれたりしています。

確かに、高校では大学受験に向けて読解能力を高めなければいけない、結果が出せてなんぼ、という面はあるのですが、あまりにもコミュニカティブな活動を軽視してしまっている気がします。

生徒にとってみれば、中学校であれほどやっていたコミュニカティブな活動は何だったんだ!?と捉えられてしまうかもしれません。

高校の英語の授業では、「学問」としての英語にフォーカスするのも必要ですが、同じくらい、いや、それ以上「ツール」としての英語にもちゃんとフォーカスしていかないといけないと思います!

 

 

 

この三点の差をもっと詰めていけば、英語の授業でより効率的な中高の連携が出来るなあと感じます。

まとめると、
中学校の先生、
フォニックスはかじって欲しいです!生徒がチャンクで区切れる指導が欲しいです!

高校の先生、
独自のスタイルがあるのは分かりますが、コミュニカティブな活動を多くやってきた中学校の実態を踏まえて、「ツール」としての英語を教える授業に重点をおいて欲しいです!