Bright 英語教育

イギリス大学院でTESOL(英語教授法)を履修した、英語教育とイギリスをこよなく愛する高校教師が、英語教育、英語学習、イギリス留学関係、その他諸々を書き綴っていくブログです。日本のbrightな英語教育を思い描きながら…。

中学校教員が高校で、高校教員が中学校で勤める方法

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中学校か高校か。

公立学校の採用試験を受ける際には、(中高一貫校を除いて)どちらかを選択しなければなりません。

大学生であれば、まだ勤めてもいないのにどちらかを選ぶことは中々酷ですよね。

 

「中学校で採用になったけど、高校でも勤めてみたい。」

もしくは逆に

「高校で勤めているけれども、中学校の現場も知りたい。」

 

「でも一回中学を辞めて、高校の採用試験受けなおす余裕はないし、、、。」

「少しだけでも中学(高校)の現場をかじってみたいんだけど、、、。」

 

そんな思いを持っている先生方もいるかと思います。

 


ちゃんと制度があります。

それが「公立中学校教員と県立高等学校教員の期限付人事交流」という制度です。

※地域によっては「異校種間人事交流制度」などと名称が違うかもしれません。

 

この制度を使えば、採用試験を受けなおさずに、中学校教員が高校で、高校教員が中学校で勤務することが出来ます。

 

 

公立中学校教員と県立高等学校教員の期限付人事交流とは

 

私は今、初任校での6年を終えて(初任は基本5年だが、途中1年留学に行っていたため)、この制度を利用して高校教員として働いています。

この制度の趣旨は、「公立中学校と県立高等学校との連携を強化し、学習指導、生徒指導及び進路指導体制の充実を図るとともに、教員の視野を広め資質の向上を目指し、本県中等教育の充実と発展に寄与することを目的とし、実施する」ことらしいです。

交流の期間は3年間です。

3年後は、原則、交流に出る前に在籍していた市町村教育委員会へ戻ることとなっています。


つまり、3年間異校種で勤めていろいろ学んできて、3年後、旅をさせた分戻ってきてみっちり還元してよね、という制度です。

 

異動先で必要な教員免許は取得しておく、ということは条件です。

給料や福利厚生などは全て異動先の校種に属することとなります。

 

 

この制度のメリット・デメリット

 

メリット① 採用試験を受け直す必要がない

 なんといっても、採用試験なしで異校種の学校で正式に勤められることでしょう。

校種をまたぐために採用試験を受けなおすとなると、学期中にかなりの負担を負うことになります。受かるかどうかも確約はされないため、不安定になります。

一方この制度では、正式採用の人事異動として扱われ、3年後に戻るということも決まっているので、余計なことを気にせずに業務に集中できます。

「異校種を経験したい」ということが目的であるのならば、採用試験を受けなおすために使う時間と労力を、他のことに費やすことが出来ます。

 

メリット② 文化の違いを肌で感じることができる

 同じ公立校でも、校種が違うとこんなにも違うのか、、、と文化の違いを肌で実感できます。対象生徒の年齢が違うということもありますが、生徒への接し方、学級経営の仕方、受け持つ授業の数、校内業務の種類、、、全てが違い、お勉強の毎日です。

特に私は中学校から高校へ異動したため、入試業務に関わることが衝撃的でした。

今までは中学校で生徒の受験を応援して、行ってこい!がんばってこい!と送り出していた立場だったのに、昨年度は中学生を迎えて入試の試験監督をし、採点をする立場になりました。

今までは「高校って入試期間一週間くらい休みになるけど、何やってるんだろう」と思っていましたが、「おお、こうやって採点してるんだ、こうやって選抜会議してるんだ、、、」という今まで知り得なかった裏舞台を、実際に体験することが出来ました。

ここでは書けないですけど、中学校に戻って進路指導・受験指導をする際に生かせることが山ほどあります。

 

デメリット① 責任感がある

 まだまだ認知度は低い制度です。私の都道府県でも、この制度で異校種に異動したのは私を含めて2人だけでした。

そのため、全然そんなつもりはないのに、勝手に中学校を代表してきました感が漂ってしまいます。

「なんで中学校から来れるの?」「こんな制度で来ています」「へえ、そんな制度あるんだ、すごいねえ、優秀なんだねえ」。これが定番のやり取りです。優秀でもなんでもないのに。

自分はそんな意識はなくても、周りから見たら「中学校から勉強しにきている先生」として見られます。そのため、変なこと、雑なことは出来ません笑。「中学校の先生、だらしない」なんて思われたくないですもん。

そういった意味で、責任感は感じています。

この一年間はほぼ自分が出せず、大人しくお利口さんに過ごしました、、、。

まあ1年間はちゃんと勤めたし、周りとも信頼関係築けてきているかなあと思うので、そろそろ自分出していこうかなあ、とは思っています。

そう思っていた矢先の度重なる休校ですけれど。

 

デメリット② 教材研究は1からやり直し

 教える生徒の年齢が異なるため、教材研究は1からやり直しです。

今まで中学校で作ってきた教材は、ほぼこの1年間生かせませんでした。

教材研究に関してはかなりしんどかった時期もあり、多くの時間を費やして試行錯誤しています。

また、中学校では一つの学年の英語を1人で担当出来たり、2人で担当したりしますが、現在の高校では4~5人で「コミュニケーション英語」と「英語表現」をそれぞれ分け合っているので、他の先生がやっていることに多少合わせていく、ということも必要になります。

そのあたりの教科指導に関する感覚も1からの経験になります。

 


自分が感じたメリット・デメリットを書いてみましたが、
メリットの大きさに比べればデメリットは全然大したことありません!

とても魅力のある制度だと思います。

悩まれている方は是非参考にしてみて下さい!