Bright 英語教育

H30年度 イギリスブライトン大学でTESOL(英語教授法)を履修した公立高校教師が、英語教育について感じたこと・学んだこと、その他諸々を書き綴っていきます。 日本のbrightな英語教育を思い描きながら。

留学でしか手に入らないものとは? 留学しようか日本で英語を勉強しようか悩んでいる人に伝えたいこと

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「留学で人生が変わった」という意見もあれば、

「英語は日本でも学べる」という意見もあります。

 

そのどちらも正論です。

 

留学に対して憧れを抱くものの、日本でやれることなら日本でやった方が現実的であろうか、、、と悩んでいる方は多いかと思います。


そのような方に伝えたいことをまとめました。

 

 

英語は国内で身に付くか

まず英語に関してです。

「留学をしないと、本当の英語力は身に付かないのではないか」

と疑問を抱く方もいらっしゃると思います。

 

ズバリ、「日本にいても、英語は十分身に付きます。」

 

英検一級であっても、TOEIC満点であっても、留学なしで達成することは可能です。

英語の能力を向上させていくためには、質の高いインプットとアウトプットを充実させていくことが不可欠ですが、そのどちらも日本にいながら手に入れることが出来ます。

 

インプットに関しては、日本にいても質の高い洋書は手に入ります。

インターネットにアクセスをすれば、You tubeにて様々な英語教材に触れることができます。発音や表現を詳しく解説してくれている動画がたくさんあります。

学び方が分からなくても、質の高い英会話スクールや英語学習に関するコミュニティはたくさんあり、そういったところからいくらでも学ぶことが出来ます。

むしろ第二言語習得の特性を生かして、日本で日本語と比較しながら学ぶことの方が、効率が良い部分もあります。

 

アウトプットに関しても、音読練習のように質の高い教材を使いながらアウトプットすることが出来ます。英語で日記を書いたり英語記事の要約をしてアウトプットすることも出来ます。さらに、実際に英会話カフェなどに出向いて外国人の友達を作ることも出来ます。

日本では「生きた英語」が学べないという意見をたまに聞きますが、そんなことはありません。

自分でチャンスを見つけに動けば、いくらでも生きた英語に触れることは可能で、アウトプットする機会も作ることができます。

 

国際社会でも通用する英語力を鍛えることは、日本にいても可能です。

その環境を作る行動力と、継続する気合次第ですが、それは可能だと断言できます。

 

 

 

留学でしか手に入らないもの

 

では、わざわざ留学に行く必要はないのか。

留学でしか手に入らないものはないのか。

 

ひとつ確実なものがあります。

 

それは

 

「多様性に富んだ新しい人的ネットワークに触れること」です。

 

留学を終えた生徒に話を聞くと、「価値観が変わった」「世界観が変わった」ということをよく答えてくれますが、詳しく聞くと、それは多様性に富んだ新しい人的ネットワークに触れたことからきていることが多いです。

 

どういうことかと言うと、日本国内でも様々な外国籍の方に出会うことは出来ますが、どうしても日本に対して理解のある方、日本に好意を抱いている方が多いです。

はるばる日本に来ているのだから、そうした「同質性」があります。

 

しかし、留学に行けば、国籍等は関係なく完全にフラットな立場から人的なネットワークを築くことができます。

日本に好意を抱いている方と出会うかもしれないし、日本に敵意を抱いている方、日本の地理的な位置さえ知らない方と出会うかもしれません。

各国から来ている留学生の経済環境や教育背景は全く違います。タイや中国のお金持ち家族出身かもしれないし、貧しい家庭だけれども奨学金で学びに来ている超優秀な生徒かもしれません。

日本国内で出会える多様性よりも、桁違いに大規模な多様性に触れられることは間違いありません。

そうした中で共に学んで時を過ごすことで、「価値観が変わる」「世界観が変わる」ということが起きてくるのだと思います。

 

ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン、アンドリュー・スコットによる名著「LIFE SHIFT」に以下の一節があります。

 

「同質性の高い集団だとメンバーに変化を促すよりも、同質であり続けることを後押しする傾向が強い。いろいろなタイプの人と出会いたければ、もっと大規模で多様性に富んだ人的ネットワークの中を探すべきだ。そのような人的ネットワークの中でなら、あなたが憧れを抱くことができ、変身のお手本にできそうな人が見つかるだろう。」

 

自分を変えたいのであれば、大規模な多様性に飛び込むべきです。

その中で新たな憧れや志が見つかっていきます。

 

 

私は日常あまり泣くタイプではありませんが、これまでの人生で激しく泣いたことが3回あります。

1回目は中学時代、オーストラリアホームステイを終えて、ホストファミリーに別れを告げた時、2回目は大学時代、オックスフォードでの語学留学を終えて、ヒースロー空港へ向かうバスの中。3回目はブライトンでの大学院留学を終えて、ヒースロー空港へ向かうバスの中、です。

その3回に共通することは、「ゼロから始まった、多様性に富んだ人的ネットワークが目の前からなくなる喪失感」です。

 

留学では多様性に富んだ全く未知の世界に一人で飛び込むことができます。

ゼロから始まることに期待と不安を感じながらも、多様性に富んだ世界を垣間見、人的ネットワークを築いていく。

そうして留学が終える時には、一生懸命ゼロから作った人的ネットワークが目の前からなくなる喪失感と、得体のしれない大きな達成感を味わうことが出来ます。

 

この感覚は、留学でないと味わえません。

 

このような感覚を味わうことで、新たなステージに進むことができ、人としても一つ成長するのだと思います。留学に行く意味はそこにあるのではないでしょうか。

 

最後に、「LIFE SHIFT」から素敵なエールをお届けします。

「自分についての知識と多様性に富んだ人的ネットワークは、変身の基盤をつくり出す。しかし、変身資産にダイナミズムをもたらすのは、実際の行動だ。過去に例のない大胆な解決策を受け入れる姿勢、古い常識ややり方に疑問を投げかけることをいとわない姿勢、画一的な生き方に異を唱え、人生のさまざまな要素を統合できる新しい生き方を実験する姿勢をもっていなくてはならない。ほかの人たちの生き方と働き方に興味をもち、新しいことを試すときにつきものの曖昧さを嫌わない姿勢も必要だ。」

 

 

 

まとめると、

 

「英語を学ぶこと」は、日本で出来る。

「多様性に富んだ新しい人的ネットワークを築くこと」は、留学でないと出来ない。

 

です。

 


留学しようか日本で英語を勉強しようか悩んでいる人に何か参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)