Bright 英語教育

イギリス大学院でMA TESOL(英語教授法)を学んだ教師が、第二言語習得理論を基に効果的な英語教育・英語学習を追求していきます。たまにイギリスのこと、シンプルな暮らしについても発信します。

やっぱり学校でお金の授業をするべき!

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「お金」は生活していく上で切っても切れない存在ですよね。

誰もがお金についてある程度知っておかなければいけないのに、学校では体系的に教える機会がないというのはほんとに不思議です。

「やっぱりお金について教えるべきだよなあ」と改めて感じたので、過去の自分を振り返りつつ、ちょっとつらつらと書き綴ってみたいと思います。

 

純ジャパ新任教師には衝撃だった、マカオ カジノ旅の話

僕がお金に対して深い興味を持つようになったのは、20代半ばになった頃でした。

教員になって数年が経った頃、友人と二人でマカオを訪れました。

お目当てはもちろんカジノ。

それまではマンガでしか見たことがなかった、きらびやかな世界。

ビクビクしながらエントランスを入り、とりあえず周りの様子を伺います。

 

ウロウロと周りが楽しんでいる様子を観察していると、衝撃的な光景を目の当たりにしました。

1人のジーパンにカジュアルシャツ姿の中国人と思われる男性が、1度のルーレットの勝負に1枚1万円程するチップを山のようにごっそりと賭けています。

 

合計100~150万円程賭けていたでしょう。おそらくまだ30代くらいの人だったのではないかと思います。

「うお…まじか…1回であんなに掛けるの…!?」

ルーレットを廻るボールの行き先を、中国人らと共にかたずを飲んで見守るカジノお初の我々二人。

お金は一切かけていないのに、なぜかこっちまで緊張します。

 

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ボールはむなしくも、その中国人が全然賭けていない箇所へ転がり落ちました。

山のようになっていたチップが、手早く抱え込むように、極めて作業的にディーラーによって回収されました。

「うわ…たったこの1分で、100万円近くを失くしちゃった…。」

これだけでも衝撃なのに、

なんとその中国人は、苦笑いです。

「あら、やっちゃった!」くらいにしか思っていないように見受けられます。

 

その様子を見て、さらに衝撃です。

 

「え、なんで100万円をロスしてそんな平然としていられるの!?」

 その金銭感覚が全く理解できませんでした。

僕らは一番安いチップをちびちびと賭けて、二人とも1万円を使い、「なんだか場違いな所へ来てしまった…得体の知れないものを見てしまった…」という居たたまれない気持ちと共にカジノを後にしました。

 

お金に関する教育を受けていない

そんなカジノでの出来事が、お金に関して考えるきっかけを与えてくれました。

「あの中国人、いったい一晩でいくら使ったんだろう?」

「どれだけの元資金があったんだろう、どうやってそんなお金を手に入れているんだ?」

「仕事は何をしているんだ?何かヤバイことをしてる人だったのか?」

 

当時、自分の手取りは月20万円ちょっと。

教員採用試験にも一発で合格したし、これまで勉強を頑張ってやってきたつもり。
それなのにあの中国人と桁違いに経済力が違うのはなぜなんだろうか…。

 

考えてみると、これまで勉強を頑張ってきた、学校の授業も真面目に受けてきた。
しかし、お金に関する教育は全く受けてきていないことに気が付きました。

 

その結果、受験勉強で知識を詰め込んできたけれど、一番生活に身近なお金に関する知識はほぼゼロでした。

実際、初任給を受け取った際は「あ、こんなもんなんだ。」くらいにしか思わず、特に多いとも少ないとも感じず、深くも考えませんでした。

 

お金を稼いだり、増やしたりする方法は全く知らず、どこか「お金を稼ぐ」=「汚らわしいこと」「いやらしいこと」といった感覚を持ってしまっていました。

 

このままではいつまで経ってもあの中国人との経済力の差は縮まらない…!

 

もちろん「お金が全てではない」「お金=幸せになるわけではない」ということは承知していましたが、それでもなんだか悔しくて、お金に関しての勉強を始めたり、実際に株式投資を始めたりしてみました。

 

生徒はお金に興味があるけど、教えられていない

日本銀行が2020年に行った「金融リテラシー~人生を豊かにする「お金」の知恵~」によると、学校で金融教育を受ける機会があったという回答は、30代で9%程度、18~29歳で15%程度であったと報告されています。

 

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金融庁では出張授業や、先生や指導者に対するサポートを行っていますが、学校でのお金に関する教育は十分に浸透していないことが伺えます。


今の学校教育の現場を見ても、お金に関する授業はほぼ実施されていません。

 

お金は一番生活に関わることなのに、なぜなのでしょう?

これだけ現在のコロナ禍で、飲食店を始め至る所でお金のやり繰りに関して大きな問題になっているのに、学校では教えてくれません。

 

先日、授業の雑談として、

お金の得るってことは「時間の対価」としてだけじゃないんだよ。

時給○○円で働くアルバイトとか、会社で働いて給料を得ることが全てではない。

「不労所得」ってものもあって、株だとか、商品を売って得るお金がある。

ユーチューバーが広告収入を得てるのも不労所得だね!・・・

と話してみたら、物凄く食いついて聞いてくれました。

 

その日の学級日誌には、「今日覚えた言葉は“不労所得”。詳しくは分からないけど、なんかとっても大事だということは分かりました。」と書いてありました。

 

それだけ、生徒もお金に関して興味はあるっていうことです。

しかし体系的に学ぶ場は設定されていません。

 

 

お金に関する知識を生徒に教えていくべき!

日本人にはまだまだ「お金は稼いで万が一に備えて貯めておくもの」という感覚があります。

日本でそれぞれの家庭が所有するお金の合計は1800兆円に上るようです。

国の国家予算が約100兆円ですから、国が一年間に使うお金の18倍です。

 

昨年に特別給付金として1人10万円が配られて話題になりましたが、
1800兆円あれば、国民1人1人に1000万円を配ってもおつりがきます。

 

それだけのお金、貯めていないで投資に回して増やしていけば、日本全体をもっと豊かにしていくことができます。

しかしその術をほとんどの生徒に知らせないまま生徒は卒業していきます。

 

結局、学校教育で体系的に学ぶ機会がないから、そのまま大人になって自分の無知さを知ります。

 

何を教えるべきなのか

お金に困らないようにしていくには、

「資産形成=(収入-支出)+(資産×運用利回り)」というシンプルな式を理解しておくことが何より重要です。

複雑な因数分解の公式よりよっぽど分かりやすい上に、よっぽど実用的です。

 

要するに、資産を増やしていくには、

①収入を増やす
②支出を減らす
③資産に対する運用利回りを上げる

の3つしかないということです。

 

①の収入を増やしていくには、自分の能力を高めていく必要がある。つまり勉強が必要。

 

②の支出を減らすためには、お金を使うことを

・消費(生活する上で必要なお金)
・浪費(不必要にしようしたお金)
・投資(自分の能力を高めるために必要なお金)

に分けて考える思考力、分析力が必要。

 

③の資産に対する運用利回りを上げるためには、株式投資の基本を知る、お金に働いてもらう仕組みを知ることが必要

 

そうしたことを体系的に学ぶ機会があれば、将来どんな働き方をしたいのかを具体的に考えることが出来るし、過去の自分のように社会人になってから無知を知るということも減ってくると思います。

 

国民の金融リテラシーが高まって、「正しく稼いで、回して増やす」人の割合が増えていけば、必然的に日本をより豊かにしていきます。

 

・お金がお金を増やすという仕組みを理解する

・投資に対する正しい知識を身に付ける

・ローンを組むことがどういったことを意味しているのかを知る

 

少子高齢化社会を迎えていて、働き方が大きく変わりつつある今だからこそ、そうしたお金に関する授業を学校で取り入れるべきなのではないかと思います。

通信制のN高校が投資部を設立したことが一時期話題になりましたが、個人的には大賛成です。

せっかく総合的な探究の時間が出来て、対話的で深い学びが叫ばれるようになったので、その流れに乗ってお金をテーマに探究させることもありだと思います。

 

そうした取り組みがもっと幅広く全国的に広まり、若い世代がどんどんお金について考えるようになるといいなあと思います。

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

ではまた!