Bright 英語教育

イギリス大学院でMA TESOL(英語教授法)を学んだ教師が、第二言語習得理論を基に効果的な英語教育・英語学習を追求していきます。たまにイギリスのこと、シンプルな暮らしについても発信します。

「将来留学したい?」と高2生に聞いたら考えさせられたこと

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こんにちは、タカヒロです。

 

今回は 「将来留学したい?」と高2生に聞いたら考えさせられたことをつらつらと書いていきたいと思います。

先日、今年度最後の授業が終わりました。

期末テストの答案を返し、最後少し時間ができたので、留学の話をしました。

 

高校2年生を終えようとしている生徒に、

「今の時点で将来留学してみたいなーと漠然とでも考えている人、どれくらいいる?」

と尋ね、手を挙げてもらいました。

 

普通科文系40人クラスなので、半分の20人くらいが手を挙げるのかなあと思っていましたが、

 

結果は5人ほどでした。

 

その5人の生徒はピシッと手を挙げてくれましたが、

その他の生徒は

 

「いや先生、これから受験を控えているのに、留学のことなんて考えられないよ!」

 

と言わんばかりの表情をしていました。

 

そんな表情を見るや否や、

「そうだよね…、受験勉強に向けてで精一杯だよね。」と心の中で思いつつ、

どこか違和感が残りました。

 

留学したいかどうかうんぬんよりも、

いったい高2生は、自分の将来についてどこまで考えているのだろう?と疑問に思いました。

 

 

よくよく考えてみると、

本来は「大学に入ってやってみたいこと、専門的に学びたいこと」があって、その大学に入るために受験勉強があるはずなのに、

 

クラスの生徒の様子を見ていると、大学に入ることに精一杯になって、その先のことを考えられていない生徒が多い、というのが現状のように思います。

 

 

高校生にとっては、やれ宿題だ、やれ部活だで日常が忙しすぎて考える暇が中々持てないというのも事実です。

 

しかし、小中高と一斉授業スタイルの中で学んできて、「決められた範囲内で良い成績を取ることが優秀」といったような教育が生んでいる影響が、高2終了辺りで顕著に表れているのでは?と感じました。

 

小中高まではだいたいみんな同じような道を歩んできたのに、

高校卒業時には一気に進路の選択肢が増えて、選ぶ道がばらけます。 

そのギャップについていけていない生徒が多いように感じます。

 

中1から高2まで公立学校の担任を経験してきた身として、何だか深く考えさせられるものがあります。

 

中学校では基礎基本を身に付けて、高校では専門的な知識も学ぶ。

大学・専門学校ではさらに高度な専門知識を身に付けて、そして社会へ貢献していく。

 

もちろん高校から工業系、農業系、芸術系、外国語系など、専門的なコースへ進む生徒もいますが、大半の生徒は近場の普通科の高校を選び、そしてあまり真剣に大学以降のことを考えないまま、高2の終わりを迎えているのかもしれません。

 

英語の勉強にしても、本来であれば「実践的に使うための英語」を学ぶべきなのに、生徒のモチベーションは「大学入試に合格すること」、「入試問題を解けるようになること」に向いていて、勉強したことをどう生かしたいのかという所まで考えている生徒はあまりいないように思えます。

 

その結果、英語を「暗記科目」のように捉えて、

・とりあえず単語帳を丸暗記出来るように頑張る

・分厚い文法書を実際には一生に一度使うかどうかのような文法まで詳しく勉強する

といったことに多くの時間を費やしてしまっているのが現状です。

 

これからの時代では「知識」よりも「情報の海から必要な情報を探し出して活用する能力」の方がよっぽど大切になるのに、まだまだあまり考えずに知識だけを詰め込もうとしています。

 

 この辺りの意識を授業を通して教員たちで変えていかなくてはいけません。

 

これから高校三年生で受験に向かってたっぷり勉強するわけですが、勉強を「受験のため」で終わらせてしまったらもったいないですよね…!

 

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5人しか手が挙がらなかったという事実が、「その5人しか留学に興味がある人がいない」ということならまだ分かります。(ちょっと寂しいですが。)

 

しかしそうではなく、

多くの生徒が、「自分が留学したいかどうかなんて考えたことがない」「自分の大学入学後のことをあまり具体的に考えていない」というような表情をしたことに危機感を感じました。

 

 

やっぱり今後の社会を考えても、

 

漠然とでも「やりたいことがある」→「○○大学△△学部に行けばその専門性が高められる」→「そこに入るために受験勉強を頑張る」

 

このステップは非常に大切だと思います。

 

「やりたいことがないのです。」と言いたくても、やりたいことは自分が行動している範囲からしか基本見つからないのだから、自分の行動範囲、意識範囲を広げて見つけていくしかないです。

 

そこに関しては「周りからどうこうアドバイスを受けたから」といったような受動的な考えではなくて、「自分は~に興味を持っているから」といったように能動的な発想でなければいけないと思います。

 

 

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イギリスではyear11の終わり(15、16歳)にGCSEという義務教育修了の試験を受けます。自分で受験する科目を選ばなくてはいけませんし、そのスコアは大学への進学にも関わってくるので、科目選択はとても重要です。

つまり、イギリスの子供たちは15、16歳にして、「自分は何を学びたいのか」「自分の将来について」一度真剣に考えて決定していく機会があります。

何となく「普通科に進もう。」「大学はそこそこ名前が知れ渡っている所に滑り込もう。」といったような発想は生まれないように思います。

 

 

やはり日本では「普通科」という日本特有の学科があるから日本の現状が変わっていかないのでしょうか?

大学受験で細かい知識を問うから、高2生の学習への意識が変わらないのでしょうか?

日本の社会がまだ「よく働く優秀な従業員」を求めているから、学校のキャリア教育が変わらないのでしょうか?

 

 

今後の更なるIT社会に備えて、変えていかなくてはいかないことは沢山あるように思います。

少し前までは「良い大学に入る → 良い会社に入る」というルートが王道でしたが、その常識も変わりつつあります。

 

 

一つだけ間違いのない事実は、子供のせいということは何一つない、ということです。

 

今の子供たちが少しでもより良く将来に備えられるように、周りの大人たちは未来を見据えて変えていくところを変えていかなくてはいけません。

 

偉そうにここまでつらつらと書いてきて、個人の力では何も出来ないのですが、一教員が「将来留学したい?」と高2生に聞いてみたら、こんなことを考えさせられました。

 

教育のこと、日本の未来の担い手のために、教員だけでなくより多くの大人で真剣に考えていく世の中であって欲しいです…!

最後までお読みいただきありがとうございました!

ではまた!