Bright 英語教育

イギリス大学院でMA TESOL(英語教授法)を学んだ教師が、第二言語習得理論を基に効果的な英語教育・英語学習を追求していきます。たまにイギリスのこと、シンプルな暮らしについても発信します。

公立教員を辞めて大学講師になるために必要なものは【修士号と勇気】

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こんにちは、タカヒロです。

 

この春、公立教員を退職して大学の非常勤講師になりました。

 

何名かの先生方から

 

「どうやってそんなチャンスを得たの?」「何が必要なの?」

 

といったご質問を頂きましたので、

自分の経験を踏まえながらお答えしていきたいと思います。

 

私は公立教員として8年勤めたのち、

都内私立大学で英語を教える非常勤講師となりました。

 

一つの事例なので一般化はできませんが、

・教員から大学講師を目指したい

・教員以外の道を検討している

 

そんな方へ何か参考になれば幸いです。

 


結論から言うと、

公立教員を辞めて大学講師になるために必要なものは

「修士号と勇気」だけでした。


順番に詳しく述べていきたいと思います。

 

 

教員から大学講師になるために必要なもの

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修士号は最低条件

修士号は大学応募の最低条件になります。

私はJ-REC INというサイトを使って公募を探して申し込んでいきましたが、

どの大学への応募も修士号の取得は必要でした。

 

私の場合はイギリス大学院でMA TESOL(英語科教授法 修士)を取得していたことで、

スタート地点に立つことができました。

 

修士号を持っていないという方は、

「大学院修学休業制度」「自己啓発等休業制度」について調べてみて、

修士号の取得を検討しましょう。

 

私は「自己啓発等休業制度」を使ってイギリス大学院へ行きました。

詳しくはこちらをどうぞ。

www.bright-english-edu.com

  

なお英語の募集は他教科よりも多いため修士号のみで応募が出来る所がありますが、

他の教科では博士が条件になっていることがほとんどです。

 

ちなみに常勤を狙うのであれば英語であってもほとんどの場合で博士が必要です。 

 

下のJREC INというサイトに大学公募の一覧がまとまっています。気になる専門分野の公募を覗いてみて下さい。

JREC-IN Portal (jst.go.jp)

 

修士以外の条件も確認しておく

修士号を持っていても大学側が雇いたい人材とマッチするとは限りません。

それぞれの大学で、雇いたい人材に沿った条件を出しています。

修士以外の条件も確認しておきましょう。

 

応募に関して多くの大学では

・研究論文を〇本以上出していること

・大学や高等教育機関で〇年の勤務経験があること

 

などが条件に加わってくる場合が多いです。

 

私の場合、研究論文は修士論文しか持っていなく、

・中高での現場経験

・イギリス大学院での修士号

・英検1級

くらいしか武器がなかったので、応募できる大学がかなり絞られました。

 

大学講師を目指す立場では本当に赤ちゃんレベルなのでしょう…。

 

とりあえず応募してみる

それでも応募できそうなところへとりあえず応募してみてました。

応募しないことには何も始まりませんからね。

 

結果、8校申し込んで、7校が一次審査で不採用。

 

1校で面接審査へと進み、結局その大学での採用が決まりました。

 

採用が決まった大学では小学校英語に力を入れているので、

「中高での現場経験」が大学側の求める人材とマッチしたということだと思います。

 

論文などの武器がなくても、

その他の自分の実績を前面に押し出して数多く応募すれば、

マッチする大学と巡り合う可能性は十分にあります。

 

 

またとりあえず応募してみると、自分の市場価値を図ることができます。

 

私の場合は常勤ポジションも含めて8校応募した結果、

「まだ常勤では採用されない立ち位置なんだ」

ということが明確に分かりました。

 

自分の市場価値を図る、ということだけでもやってみる価値はありますね!

 

専門性を明確にしておく

正規で教員をしていたら、研究論文をいくつも出すことは至難の業ですよね…。

 

そこで研究論文などの実績がなくても、

自分の研究していきたい分野、専門性を明確にしておく必要があります。

この専門性が一次審査での武器になります。

 

お世話になっている教授によると、

意外と研究論文よりも「教育現場での経験」を重視して採用している大学も増えてきているとのことです。

 

「教育現場でどんな経験を積んできたのか」

「教科の中での専門性は何なのか」

を明確にしておけば、チャンスはあります。

 

 

勇気ある決断が必要

修士号の他に、あともう一つ必要なものは「一歩を踏み出す勇気」です。

 

正規教員でいることは待遇で言えばとても心地よいので、

そこから踏み出すには勇気が必要です。

 

「わざわざ正規教員を辞めてリスク負うほどの熱意なのか…」

 

私はこんな疑問に悩み続けました。

 

具体的に考えたことが以下の通りです。

 

安定がなくなっても大丈夫か

大学の非常勤講師では、収入は安定しません。

コマ数辺りの時給による給料となります。

大学が私立か公立か、都市部か地方かにもよりますが、

1コマ(90分)で月2万円くらいが相場のようです。

週に5コマ担当して、やっと月収10万くらいです。 

 

私の場合も正規教員の時から大幅に収入が減ることになります。

私立中高と非常勤を掛け持ちしているのですが、

二つ合わせて公立教員の初任給程度でしょうか。

 

この不安定さに耐えられるかが重要そうです。

 

正直ここは意見が分かれるところだと思います。

一般的に大学非常勤講師はワーキングプアなどと呼ばれることもあり、

収入的にも、立場的にも不安定なのは事実です。

 

それでも私は悩んだ挙句、 

正規教員として「決められた給料」をもらって、

やりたくない仕事にも時間を費やすよりも、

 

非常勤講師で「授業をする報酬」として給料をもらい、

新たに生まれた膨大な時間を自分の好きなこと、やりたいことに費やしていきたい

 

という想いから、正規教員を辞める決断をしました。

公立教員の時は

「無給残業が月100時間オーバー、プラス土日は部活」

ということが日常化していたので、

そこから抜け出してやっていってみたいという衝動が大きかったのかもしれません。 

 

不安定になるのは覚悟の上ですが、

やりたいことを突き詰めていくうちに、

新たなチャンスが舞い込んでくるものだと信じています。

 

自分の人生史上では一番勇気のある決断になったと思います。

 

 

もうすでに家族がいる方には難しい判断になってくるかと思うので、

教員のまま勤め続けるか、教員のまま博士を取って大学の常勤を目指すかを考えても良いかもしれません。

 

目指したい方向性が定まっているか

私はなかなか険しい道を選択することにしたのですが、

そんな決断をする上でも、目指したい方向性が定まっているかは重要でした。

 

・教員を目指す学生のサポートに徹したい

・英語教育に一点集中していきたい

・時間や場所に捉われず、自由に暮らしたい

 

そんな想いがゆえの決断となりました。

 

がっつり英語教育に一本化して、英語の先生になりたいと思っている生徒の支援に徹したい。

 

部活で土日を消化してしまうことや、やりたくない仕事にも文句を言わずにやらなければいけない状況から、抜け出す人生を歩んでみたい。

 

個人の時代になったのだから、非常勤講師としての収入だけでなく、他の収入口を作っていけばいいじゃないか。

 

そんな風にある程度の方向性が決まっていたから、一歩を踏み出せたのだと思います。

 

繰り返しになりますが、決して万人向けの道ではないので、

「あ、そんな道もあるのか」程度に受け取る、

もしくは「やっぱり教員のままが良さそう」

という判断でも全然OKだと思います。

 

まとめ

まとめると、

「修士号と勇気」があれば、公立教員を辞めて大学講師になることは可能です。

・定年まで教員として勤める

・管理職へのキャリアアップを目指す

・大学での勤務を目指す

・全く違う職種に転職する

 

どの道を選んでも、信念があれば素敵な人生になると思います。

ただ選択肢を多く持って検討してみる、という価値はあるのかなと思います。

 

大学講師も気になるなあと考えている先生方へ何か参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました、ではまた!