Bright 英語教育

H30年度 イギリスブライトン大学でTESOL(英語教授法)を履修した公立高校教師が、英語教育について感じたこと・学んだこと、その他諸々を書き綴っていきます。 日本のbrightな英語教育を思い描きながら。

イギリス大学院 エッセイの書き方

日本とイギリスの教育について感じたことをもう一つ。エッセイの書き方についてです。
前セメスターでは3000-4000字エッセイを4つ書きました。何とか全てパスすることが出来ましたが、エッセイの書き方自体が日本の大学とは大きく違い、だいぶ困惑しました。
前期に取った4モジュールとも、ショートエッセイ(500words程度)数本、プレゼンテーション、そしてファイナルエッセイ(3000-4000words)で評価されました。大きな割合を占めるのがやはりファイナルエッセイで、ここで評価を得ないと、どんなに授業中に積極的に取り組んでも単位の取得は出来ません。
次のエッセイに生かす意味を込めて2点まとめます。


① エッセイのフレームワークを理解する。

基本的には[ Introduction, Literature review, Methodology, Results, Analysis, Discussion, Conclusion, references ]と抑えるべき内容は決まっています。どのチャプターに何をどの順番で書いていくのが一番読み手に伝わるかを考え、簡潔な文章で書いていくことが求められます。回りくどい書き方ではなく、各パラグラフのtopic sentenceを明確にして、ズバッズバッと述べていくことが大切です。また、Referencesも非常に重要で、何を読んでどこから情報を持ってきたのか、明確に示す必要があります。Brighton大学を含め、多くの大学では「turnitin」というのコピペ・盗作チェックソフトを通して提出になるので、過去の論文から正しい形でない引用やパラフレーズなしにそのまま文章を載せると、plagiarism(盗作)として、いとも簡単に引っ掛かります。文献の引用の仕方、パラフレーズの仕方はエッセイを書き始めるよりももっともっと前に練習しておいた方が良いです。クラスメイトのイタリア人は、英語は堪能ですが、エッセイの書き方についてあいまいだったために、3つ落してしまったとのことです。。。英語が母国語のイギリス人でさえ落としている人はいました。英語のレベルももちろん重要ですが、その前に、エッセイをどう書いていくかを勉強していく必要があります。

 

② 事前リーディング、各セミナーでのディスカッションがエッセイのクオリティを決める。


Introduction, Literature reviewでは自分が設定したテーマ、問題意識に対して、どれだけ現状分析が出来ているのか、どれだけテーマに関わる知識を習得しているかが明らかになります。そこで何より大切なのはリーディングだと思います。エッセイを書き出す前にひたすら論文や本を読み漁り、アイデアの視野を広げておく必要があります。私はリーディングの際には、「読んだ文献の内容を5点にまとめて書く」ということをやっていました。Writingすることを前提で読み、できればクラスメイトとシェア出来れば、論文でも使える知識になっていくと思います。また、直接は評価されませんが、日々のセミナーでのディスカッションも重要です。一人では考え付かないこと、自分では見えていない部分は必ずあるので、人の意見を聞いて、また自分の意見に対するフィードバックを貰って、アイデアを膨らましていくことがエッセイの濃さになっていくと思います。

 

イギリスのエッセイでは、これといった「正解」がありません。筆者が何を発見したのか、筆者はどれだけ知識を付けて、どう考えているのか、ということを聞かれているようで、たとえ同じ論文のタイトルだとしても、内容は筆者次第で変わります。自分の考えを、サポート文献と共に論理的に述べられていれば、「みんな違ってみんな良いです」。日本での「知識を詰め込み、そのままテストに生かす」ような、答えが一つになりがちのテストに慣れていたため、大きなギャップを感じ苦労しましたが、エッセイを終えてみると、やはりイギリスでのエッセイの方が、「勉強して身についた感覚」は非常に大きいです。この感覚は是非中学校の定期テスト作成にも生かしていければなあと思うのですが、どう生かしていくかはこれから考えます。大胆に範囲の決まった定期テストをなくして、論文やレポートで評価するという方法もありかもしれません。テストが変われば、生徒のモチベーションも学習スタイルも変わるでしょうから。周りの先生方から合意をもらうのは現実難しいでしょうが、、。

「何を学んだか」を忘れてしまっても、「どう学んだか」は案外覚えていることだと思いますし、生涯教育の糧になっていく部分だと思うので、学校におけるテストの在り方、評価の在り方は常に検討していく必要があると思います。