Bright 英語教育

H30年度 イギリスブライトン大学でTESOL(英語教授法)を履修した公立高校教師が、英語教育について感じたこと・学んだこと、その他諸々を書き綴っていきます。 日本のbrightな英語教育を思い描きながら。

SAMRとは? ICT導入の際必要な枠組み

エッセイの忙しさに感けて、置き去りになってしまっていたブログですが、無事に全ての提出を終えて(やったーー!!)ひと段落着いたので、ここまでを振り返りながら考えをまとめる意味でいくつか更新していきたいと思います。


まずはテクノロジーについて。


Brighton大学を選んだ理由の一つに、MA TESOLでICTに特化した科目を取れる!ということがありました。このLanguage Teaching and Technologyという科目では、最近technology,technologyって言うけど、具体的にどう授業に生かすのさ、technologyで何が出来て何が出来ないのさ、教員は何を心構えとして持っておくべきなのさ、ということを様々な観点から学びました。今後教員にとって不可欠な分野だと思います。

一つ、テクノロジーに対する考え方をシェアしたいと思います。
テクノロジーを授業に導入していく上で、「SAMR」という枠組みが主流になってきました。Substitution(代替), Augmentation(拡大), Modification(変更), Redefinition(再定義)の総称です。授業に導入したいテクノロジーが、それぞれどこの段階に位置し、どのような効果を発揮できるのかを考えていくことが不可欠になります。例えば、wordソフトを利用する場合はhand writingからtypingに代替しているのでsubstitutionに当たります。黒板とチョークの代わりとして使う電子黒板の導入もそうです。次に、紙辞書でなく電子辞書を使う、本でなくe-bookを使う、spelling checkerソフトを使う、さらに写真を撮ってOHP等で提示するという場合は、Augmentationに当たります。テクノロジーの導入により、何らかの価値が付け加わっていますが、学習の根本を変えるものではないものを指します。この二つの段階はenhancement(強化)と言われ、テクノロジーがある程度効果的で便利ではあるけれども、学習そのものへの関与はあまりありません。紙とペンがあればwordはいらないかもしれないし、e-bookより本の方が読みやすいという人もいるでしょう。


では次のmodificationとは何か。この段階では、テクノロジーの導入によって授業そのもののスタイルが転換する、もしくはタスクを転換し、再設計することを可能にすることを指します。例えば、google docsやpad letを活用して授業で出た意見をクラス全体にシェアする、またはグループ発表を録画し、参考として他の授業で提示する等です。最後のredefinitionではさらにテクノロジーの活用が発展し、チャットルームを利用して海外のクラスとやり取りをする等が挙げられます。この二つの段階はtransformation(変換)と言われ、テクノロジーを活用することが前提で、テクノロジーを活用するからこそ取り組める活動をすることが狙いとなります。

 

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前半のS、Aの段階ももちろん重要で、どちらかというと今はS、Aに対する議論や研究授業討議が多いように思いますが、今後のテクノロジーの発展、今後の英語教育を見越していくと、後半のM、Rの部分をいかに充実させていくか、ここで何が出来るか、ということを考えていかなければならないと思います。現にスカイプ等で国際会議をしている会社もありますし、学校の授業でもできることは多々あるはずです。授業の効率化を図るのみでなく、学習そのものへの関心、関与へとつながるテクノロジーの導入を考えていく必要があると思います。将来海外と中学校の教室を繋げるような取り組みを多くしたいなあと思います。また、ICTはinformation and communication technologyだということを考えても、人と人との関わりを意識する必要があると思います。
ちなみにある学会では、「コーヒー」を注文することから、Sはスタバのコーヒー、Aはスタバのラテ、Mはキャラメルマキアート、Rはジンジャーブレッドラテ、という例で発表があったそうです。