こんにちは、タカヒロです。
都内私立中高の専任となって、もうすぐ2年となります。
これまで働く場をフラフラと変えて来ましたが、とりあえずしばらくは今の職場に落ち着きそうです。
さてこの2年間、公立を退職して私立へ異動してきたという経歴から、公立の先生方からは「ぶっちゃけ私立はどうなの?」と聞かれ、現職場の先生方からは「前任の公立と比較してうちの私立はどうなの?」と聞かれ続けてきました。
私立と公立での働き方に関して気になっている同年代の先生方が双方に多い印象を受けました。
そこでこの記事では、前述した質問にこれまで答えてきたことをまとめました。
この記事の内容
・私立の方が良い点 3点
・公立の方が良い点 3点
・新卒でどちらがいいか考えている大学生の方
・私立から公立への異動を考えている先生方
・公立から私立への異動を考えている先生方
そうした方々へ何かご参考になれば幸いです。
筆者の経歴
・公立中学6年(休職してイギリス大学院へ留学)→ 県立高校へ異動して2年勤務
・退職して、私立中高の非常勤講師兼、大学非常勤講師2年
・現在、私立中高の専任教諭2年目
ちなみに、私が経験した職場は公立で2校、私立で2校ですので、一般化はできないという点はご容赦下さい。
あくまで一個人の体験に基づいたエンタメの一環としてお読みいただければと思います。
それではどうぞ。
Contents
【私立教員と公立教員】働くならどっちがおすすめか
始めに結論ですが、私立と公立のどちらが合うかは、その方の考え方と理想のライフスタイル次第で変わります。
私立と公立でそれぞれ違った良さがあるからです。
私立の学校には
①:物事の回転が早く、やりたいことを形にしやすい
②:働く時間が管理されていて、安心感がある
③:異動がなく、落ち着いて仕事ができる
といったメリットがあります。
その一方で、公立の学校には、
①:先生の入れ替わりがあり、ネットワークが広がっていく
②:様々な職場で働けるチャンスがある
③:ビジネス的な視点がなく、生徒の教育に集中できる
といったメリットがあります。
そのため、例えば、
考え方の軸が、
・自分のやりたいことが明確にあり、専門性を極めながら教員をしたいのであれば私立
・教育に集中して、ビジネス的な視点は抜きにして生徒と向き合いたいなら公立
の相性が良いように思います。
また、理想のライフスタイルについては、
・異動したくないし、人間関係も固定でよければ私立
・ときどき異動し、新たな人間関係も大切にしていきたいなら公立
の相性が良いでしょう。

私立学校の良い点
①:物事の回転が早く、やりたいことを形にしやすい
②:働く時間が管理されていて、安心感がある
③:異動がなく、落ち着いて仕事ができる
①:物事の回転が早く、やりたいことを形にしやすい
私立で一番良いなあと感じた点は、「物事の回転が早い」ということです。
私が現在勤めているのは中高一貫校ですが、大学附属校ではありません。
ある意味毎年の生徒募集が学校経営を安定化させていく要であり、そのためにも学校を現代のニーズに合うようにアップデートさせていかなければなりません。
そのため、良いと思われたものは職員会議を経て承認されれば、すぐに実行へ移すことができます。

公立のように、「文科省 → 教育委員会 → 各学校」というトップダウンの流れがなく、私立は学校内で完結するため、その点では一般企業と何も変わりません。
自分が「こうしたい」ということを、発想と企画力があればどんどん形にしていくことができます。
そうした面でのやりがいは、私立の方が高いように思います。
②:働く時間が管理されていて、安心感がある
私立は企業ですので、働く時間がしっかりと管理されています。
公立で勤めていた際は、例えば「修学旅行の業者打ち合わせが17時から」といったことがどこか当たり前にされていました。
ホワイト私立とブラック私立で分かれる点ですが、私の勤める学校では夕方17時以降に会議が組み込んでくるといったことはありえません。
全ての会議は17時までに終わるように調整されます。
また、「答案採点日」という定期テストを採点するための生徒休業があり、「成績処理日」という通知表を作るための生徒休業日があります。
夜まで残ってテストの採点をすることもなければ、所見を時間外に書くこともありません。

③:異動がなく、落ち着いて仕事ができる
そして3つめの良い点が「異動がない」ということです。
異動がないということは、自分のライフプランを長期的に考えることができます。
私の場合は、結婚して子供が産まれたことで、このメリットを大きく感じています。
将来的に長く暮らしていく場所を安心して検討することができます。
また、年度をまたぐたびに人間関係が大きく変わることもなく、とにかく落ち着いて仕事をすることができます。

公立学校の良い点
①:先生の入れ替わりがあり、ネットワークが広がっていく
②:様々な職場で働けるチャンスがある
③:ビジネス的な視点がなく、生徒の教育に集中できる
①:先生の入れ替わりがあり、ネットワークが広がっていく
公立の良い点は、新年度に先生方の入れ替わりが多く行われるということです。
毎年新しい出会いがあり、学年団も新年度になれば大きく変わることがあります。
その分、同じ学校に勤務していても4月になる度に新鮮に感じることができます。
3月には送別会、4月には歓迎会、5月には離任式があり、別れや出会いを通して人間関係を豊かにしていくことができます。
また、そうして仕事を共にした先生が他校に移ることで、他校の先生方とのネットワークも広がっていきます。
私立の場合は校内で人間関係が完結することがほとんどであるのに対し、公立の場合はどんどん人間関係が広がっていく楽しみがあります。

ちなみに、気の合う先生もいれば、そうでない先生もいるという点では、私立も公立も変わりません。
人間が集団となればもう仕方ないことです。
強いて言えば、公立は教育学部出身の先生方が多く、私立は教育学部に限らず多様な先生方がいるという印象があります。
②:様々な職場で働けるチャンスがある
公立の先生には異動が付きまとう分、様々な職場で働けるチャンスがあります。
例えば以下のような異動やチャレンジが可能です。
・異校種への異動(中学から高校や、高校から中学など)
・海外の日本人学校
・JICA
・教育委員会
・大学院修学休業
働く場にマンネリ化することなく、キャリアを構築していくことができます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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キャリアアップ・スキルアップしたい教員が検討するべき6つのこと
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③:ビジネス的な視点がなく、生徒の教育に集中できる
公立では生徒募集のために教員が必死になることもなく、ビジネス的な感覚も少ないため、学校へ来ている生徒の教育に集中することができます。
私立の先生の方が塾などへの外回りや説明会など、仕事の内容が多岐に渡ります。
また、生徒の模試の成績や進学実績を気にしたりとビジネス的な視点が入ってくることも事実です。

なお、クラス運営の楽しさや辛さは、私立でも公立でも何も変わりません。
クラスでやるべきことは何も変わらず、どちらでもクラス運営を楽しめます。
また、生徒の無邪気さも何も変わりません。
私は公立から私立でしたので、どこか「私立の生徒は生意気なのでは…?」といった先入観を持っていました。
実際、そんなことはありません。みんな年相応の無邪気さがあってかわいいです。
私立と公立どちらが合うかは考え方と理想のライフスタイル次第
この記事では、私立の良い所3点、公立の良い所3点をご紹介しました。
私立と公立のどちらが合うかは考え方と理想のライフスタイル次第で変わるように思います。
考え方の軸が、
・自分のやりたいことが明確にあり、専門性を極めながら教員をしたいのであれば私立
・教育に集中して、ビジネス的な視点は抜きにして生徒と向き合いたいなら公立
の相性が良いように思います。
また、理想のライフスタイルについては、
・異動したくないし、人間関係も固定でよければ私立
・ときおり異動し、新たな人間関係も大切にしていきたいなら公立
の相性が良いでしょう。
以上、何かご参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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