第二言語習得論 英語の学び直し

【英語の勉強が続かない】モチベーションを保つための理論と方法5選

2020年8月30日

こんにちは、タカヒロです。

 

英語の勉強、やる気出ないなあ。モチベーションってどうやって保てばいいの?

 

こうした疑問にお応えしていきます。

 

日本で英語を学習していると、なかなかモチベーションを保つことが難しいですよね。

やらなきゃ出来るようにならないのは分かっているのに、なぜかやる気にならないときはあるかと思います。

英語学習ではモチベーションは燃料のようなものであり、モチベーションがなければどんなに優秀な教材が目の前に揃っていても、一向に学習は進みません。

英語を学習していく上で、モチベーションは欠かせません。

では、どうやってモチベーションを保っていけば良いのでしょうか。

 

そこでこの記事では

・英語学習のモチベーションを保つために知っておきたい理論
・英語学習のモチベーションを保つための5つの方法

を紹介していきます。

 

筆者の経歴

・中高英語教員 10年目

・イギリス大学院 MA TESOL(英語教授法 修士)

 

僕は中学生で英語を学び始め、そこからコツコツ勉強して英検1級を取得しました。その経験と第二言語習得論を抑えながらモチベーションを紐解いていきます。

 

それではどうぞ。

 

英語学習のモチベーションを保つために知っておきたい理論

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まず、学習のモチベーションを保つために知っておくべき理論を紹介していきます。

 

モチベーションは目的意識と一心同体である

 

モチベーションは目的意識と一心同体です。

目的が定まっていなければ、どう行動していいのかは見えてこなく、モチベーションは生まれません。

 

例えば、

・お母さんが日々スーパーへ買い物に行くのは、その日の夕飯の食材を買うため。

・毎日歯磨きをするのは、虫歯にならないようにするため。

 

何事でも、目的があるからこそ、行動するモチベーションが生まれます。

英語学習も同じです。

 

「なぜ英語を学習するのか。」

この目的意識を明確にすることがモチベーションを生み出すスタート地点となります。

 

学習モチベーションは二つに分かれる

 

「なぜ英語を学習するのか。」を考えてみると、以下のようなことが思い浮かぶと思います。

 

「就職に有利になるから」 「海外旅行に行ったときに英語を使ってやりとりしたいから」 「受験で使うから」 「留学したいから」「海外ドラマを字幕なしで見てみたいから」 「英語を使った仕事をして海外と関わりたいから」 「英語ができたらなんかカッコいいから」 「外国人とコミュニケーションを取りたいから」 「テストで良い点数を取りたいから」 「先生に褒められたいから」「海外の文化に興味があるから」

 

これらは全て英語を学習するモチベーションですが、

大きく分類すると、

道具的動機付け(instrumental motivation)統合的動機づけ(integrative motivation)

という二つに分けることが出来ます(Gaedner and Lambert, 1972)。

 

学習モチベーションに関する代表的な理論です。少し紐解いてみましょう。

 

 

道具的動機付け(instrumental motivation)

 

道具的動機付けとは、何か特定の実利的な目的のために学習する動機づけのことを言います。

例えば、上の例でいくと、

・就職に有利になるから

・受験で使うから

・テストで良い点数を取りたいから

・先生に褒められたいから

などが道具的動機付けにあたります。

 

こうしたモチベーションは、学習初期の段階では効果がありますが、単発的で目的が達成されてしまうとモチベーションがなくなってしまうという可能性があります。

 

大学入試に向けて必死に勉強したのに、入試が終わっていざ入学したら勉強しなくなる、というのはよくある話ですね。

 

 

統合的動機づけ(integrative motivation)

 

一方、統合的動機づけとは、学習対象言語を話す人や文化に好意を持っていることから生まれる動機付けのことを言います。

上の例でいくと、

・海外旅行に行ったときに英語を使ってやりとりしたいから

・留学したいから

・海外ドラマを字幕なしで見てみたいから

・英語ができたらなんかカッコいいから

・外国人とコミュニケーションを取りたいから

などが統合的動機付けになります。

 

統合的モチベーションの方が、長期的・持続的な学習意欲に繋がりやすいという研究報告が複数されています。

 

海外で日本語というマイナーな言語を勉強している人の多くは、日本の文化、アニメ、ゲームなどに興味を持っているケースが多いですよね。

 

自分の統合的動機付けを確認する

 

これらの二つのモチベーション、どちらが良い、悪いということではありません。

どちらも英語学習に必要なモチベーションです。

 

しかし、「なぜ英語を勉強するのか」を自分に問いてみた時に、自分の統合的動機付けは何なのかを確認することは非常に重要です。

道具的動機付けだけだと、どうしても長期的・持続的な学習が難しいからです。

 

「TOEICで○○点を取る!」といった目標を設定することは大切ですが、「英語を使った仕事をして海外と関わりたいから」といったような、TOEIC受験のその先にある英語を勉強する目的に目を向ける必要があります。

 

自分の統合的動機付けを確認すること。

 

それがモチベーションを保つためのカギとなります。

 

 

英語学習のモチベーションを保つための5つの方法

 

次に、モチベーションを保つための具体的な方法をご紹介していきます。

モチベーションは上がったり下がったりするものです。

 

下がってしまった時に、モチベーションの火を消さないために、自分に合う方法を見つけて試してみましょう。

 

 

1 英語の習得には時間が掛かることを再認識する

 

第二言語を習得するには時間が掛かります。

日本人が英語を仕事で使えるレベルまで習得するためには、おおよそ3000時間必要だと言われています。

中学高校で約1000時間学習するため、その後に2000時間必要だということになります。

かなりの量ですが、効率よく勉強していってもそれくらいの時間は掛かってしまいます。

【関連記事】【学校だけでは足りない!】英語学習に必要なインプットの量とは? 

 

それくらいの時間が掛かってしまうということを理解した上で、コツコツと勉強を積み重ねていきましょう。

 

英語には「A watched pot never boils」ということわざがあります。

「目の前で見ているやかんはずっと沸騰しない」

つまり、あまり変化を期待して近くで見ていると、永遠にかかるように思えてしまうということを意味します。

すぐに変化や結果が出なくても焦る必要はなく、たまに変化を見るくらいでいいかと思います。

自分では「変化がないな…」と思っていても、コツコツ勉強を続けていれば、半年ぶりに会った友達には「英語うまくなったね!」と言われるかもしれません。

 

モチベーションの火が消えてしまわなければ、いつか結果は出ます!

気を長く持ち、コツコツ積み重ねていきましょう。

 

2 目的を可視化する

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何のために時間をかけて英語を勉強しているのかを書き出し、目的を可視化してみましょう。

 

「外国人と友達になりたい」「留学したい」「ビジネスで通用できるようにしたい」「英語の資格を取りたい」

 

自分が英語を学ぶ目的を明確にして紙などに書き、目に見える位置に置いておきましょう。

デスクトップに貼ったり、スマホの待ち受けにしても良いです。

英語の勉強が少しでも遠のくと、どんどん遠のいていってしまいがちになります。

そうならないように、日頃から英語学習の目的を意識することが重要です。

 

3 英語を実生活とつなげる

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日本で生活していると、残念ながら英語を使う場面はあまりないかもしれません。

英語が実生活とはかけ離れた、卓上の言語のように感じることもあるかもしれません。

そこで、机に向かって英語を勉強する以外にも、実生活の中に英語学習を取り入れていきましょう。

 

例えば、

・一日一本海外ドラマを字幕で見る

・You Tubeで英語学習の動画を見る

・スマホの言語設定を英語にする

・オンライン英会話に取り組む

など様々な工夫が出来ます。

 

今では日本にいても、英語で発信されている情報はいくらでも手に入ります。

それらを思いっきり利用して、「英語は話されるもの」「英語は情報を伝える手段」という感覚を見失わないようにしましょう。

 

スキマ時間の活用に役立つアプリをこちらの記事にまとめていますので、興味のある方はぜひ併せてご覧ください。

【関連記事】スキマ時間の英語学習に使える超おすすめアプリ・教材5選

 

 

4 一緒に切磋琢磨できる仲間を作る

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心折れそうになった時に、一緒に頑張っている仲間の存在は大きいです。

「彼がやっているなら、負けないように頑張らなければ…」と思えます。

仲間と切磋琢磨することは、長期的なモチベーションになりやすいのも良い点です。

 

・学生時代の仲間と情報交換する

・Twitterで同じ学習目的の方と繋がる

・英会話カフェに行って交流の輪を広げる

など、具体的な行動に移してみましょう。

たまに一緒に勉強会をしたり、同じタイミングでテストを受けてみたりして、刺激を受け合いながら学習していけると理想的です。

 

 

コーチを付けることもあり

 

また、コーチを付けることも非常に有効です。

英語コーチングサービスを利用することで、プロの英語学習コンサルタントが学習に並走してくれます。

お金は掛かりますが、コーチが一緒に学習を管理してくれるため、確実に英語をやり直したい方にはおすすめです。

 

初心者の方にも人気のあるサービスには以下のようなものがあります。

 

こちらの記事に学習目的別(ビジネス・日常会話・留学)でまとめていますので、是非ご覧ください。

【関連記事】初心者におすすめの英語コーチング6選【メリット・デメリットも解説】

 

 

5 他の言語と比べてみる

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英語の勉強が嫌になったら、他の言語を少し調べてみましょう。

世界には英語以外にもたくさんの言語があります。

中国語では母音の数が増えて発音がより複雑だったり、フランス語では男性名詞や女性名詞を区別していく必要があったりします。

細かく分類をしていくと、世界にはおよそ7000もの言語があるとされていますが、英語はその中でも極めてシンプルな言語の一つだということに気付きます。

 

英語より難しい言語は山ほどある。フランス語やアラビア語を学習するよりずっとましだ。」

 

そのように考えてみると、少し心が軽くなります。

 

ちなみに僕はグルジア語を見ると元気が出ます。グルジア語で「こんにちは」は「შუადღე მშვიდობისა」らしいです。絵文字みたいで可愛いですが、学習する言語としては全然可愛くありませんね。

 

 

モチベーションを保ってコツコツ学習していこう

 

この記事では、「英語学習でのモチベーションを保つために知っておくべき理論」と「モチベーションを保つための5つの方法」をご紹介しました。

 

まとめると、

【モチベーションを保つために知っておくべき理論】

☆モチベーションは目的意識と一心同体である

「なぜ英語を学習するのか。」

この目的意識を明確にすることがモチベーションを生み出すスタートになる

☆モチベーションは二つに分かれる

道具的動機付け(instrumental motivation)と統合的動機づけ(integrative motivation)

☆自分の統合的動機付けを確認する

統合的動機付けは長期的・持続的な学習に繋がるため、モチベーションを保つカギとなる

 

【モチベーションを保つための5つの方法】

1、英語の習得には時間が掛かることを再認識する

2、目的を可視化する

3、英語を実生活とつなげる

4、一緒に切磋琢磨する仲間を作る

5、他の言語と比べてみる

 

これらのことを意識して行動すると、英語学習へのモチベーションを保ちやすくなります。

英語学習に近道はなく、モチベーションを持ちながらコツコツやっていくしかありません。

じっくり時間をかけて、真の英語力を身に付けていきましょう。この記事が英語学習を頑張る方へのヒントになれば幸いです。

 

英語学習では正しい手順でやり直すことが大切です。

こちらの記事では「英語のやり直し手順」を解説していますので、是非合わせてご覧ください。

【関連記事】【英語のやり直しは何から始める?】脱初心者へのおすすめ手順を解説

 

最後までお読みいただきありがとうございました。ではまた!

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