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【英語初心者向け】シャドーイングの効果的なやり方とおすすめ教材

2022年3月25日

こんなお悩みを解決します

  • シャドーイングに取り組みたいけれど、やり方が分からない
  • シャドーイングを実践しているけれど、効果を感じない
  • リスニング力を高めていきたい

 

シャドーイングはリスニング力を高めるために非常に効果的です。

シャドーイングをすることで「自分が聞き取れている単語」と「自分が聞き取れていない単語」を区別することができるからです。

 

しかし、シャドーイングは効果的なやり方を知り、自分に合った教材を選ばなくては、あまり効果が出ないことも事実です。

 

そこでこの記事では、英語初心者の方向けにシャドーイングの効果的なやり方とおすすめ教材についてご紹介します。

 

この記事で分かること

・シャドーイングの効果的なやり方

・シャドーイング練習に使えるおすすめ教材

 

筆者の経歴

・中高教員8年

・イギリス大学院でMA TESOL(英語教授法 修士)

・独学で英検1級

 

僕は日本生まれ日本育ちですが、シャドーイングをするようになってから英語力(特にリスニング力)がグンと伸びていきました。

 

この記事を読んで、シャドーイングのやり方をしっかりと抑えた上で実践していきましょう!

それではどうぞ。

 

英語初心者におすすめするシャドーイングの効果的なやり方

 

シャドーイングとは、流れてきた英語のすぐ後を追いかけるように発話する練習法です。

 

シャドーイングによって、主に「音声知覚」を高めることができます。

 

リスニングは、大きく「音声知覚」と「意味理解」に分かれます。

・音声知覚とは、自分の耳で聞いて「音を認識できる」という段階で、

・意味理解とは、「聞き取った音の意味が分かる」という段階です。

 

例えば、「 I want to visit Japan someday!」と言われた場合、 

「アイ ウォン トゥー ビジッ ジャパン サムディ( I want to visit Japan someday) と言ったな」と認識できるのが音声知覚で、

「いつか日本を訪れたいよ!」と聞き取った意味が理解できるのが意味理解になります。

 

実際のリスニングでは、「音声知覚」と「意味理解」を脳内で同時に行っています。

「音声知覚」に脳の処理が終われてしまうと、意味理解に到達することができません。

シャドーイングで音声知覚をトレーニングすることによって、意味理解の処理に脳が使える容量が増えるわけですね。

 

 

英語初心者の方へおすすめするシャドーイングのやり方は以下の5ステップです。

 

① まずは1、2回音声を聞く。

② 原稿をノートに書き出し、分からない単語を調べて意味を抑える。

③ 音声無しで2、3回音読する。

④ 音声を再生し、文字を見ながら音声の後を追いかけるように発音する。(できるようになるまで繰り返す)

⑤ 音声を再生し、何も見ないで音声の後を追いかけるように発音する。 (シャドーイング)

頭の中で意味を理解しながら、音に続いて言えるようになればOK!)

 

この手順で進めていけば、確実に聞き取れる単語が増えてリスニング力がアップしていきますよ!

 

順番に見ていきましょう。

 

 

① まずは1、2回音声を聞く。

 

まずは教材の音源を1、2回聞いてみて、どれくらい自分が現状で聞き取れているのかを確認しましょう。

最初に聞いた時に半分~7割くらいが理解できている教材を選ぶことがおすすめです。

難しく感じたり、簡単に感じたりした場合は、レベルを調整していきましょう。

 

ボキャブラリーが足りたいことによる負担をなるべく減らすことで、シャドーイングのトレーニングに集中することができます。

 

 

WPMとは?

 

シャドーイングでは「WPM」という言葉を知っておく必要があります。

「WPM」とは、words per minutesの略であり、1分間当たりの単語数を示します。

 

「WPM:100」では1分間に約100語のペースで音声が再生されるということです。

 

初心者の方は「WPM:100~120」が目安となります。

中級者やTOEICの試験は「WPM:150~」、上級者やネイティブクラスは「WPM:180~」となっていきます。

 

 

② 原稿をノートに書き出し、分からない単語を調べて意味を抑える。

 

音源のスクリプト(原稿)を見ながら、ノートに書き写していきましょう。

印刷できるのであれば、コピペしてノートに貼るという形でもOKです!

いずれにせよ、「手元に原稿がある状況」を作ることがおすすめです。

原稿を書きとったノートを見返しながら、分からない単語を調べて意味を抑えていきましょう。

 

ポイントは「半分~7割程度分かった」という段階から、「100%理解した」という段階にすることです。

 

ここをサボるとシャドーイングの効果が薄れてしまうので、じっくりと理解していきましょう。

 

 

③ 音声無しで2、3回音読する。

 

内容が理解出来たら、音声無しで2、3回音読してみましょう。

まだ①で1、2回聞いただけの状態なので、うまく読めないかもしれませんがそれでOKです。

音の繋がりに関してはあまり気にせず、一つ一つの単語が読めているかという点に集中して音読していきましょう。

 

読み方が分からない単語があれば、辞書で発音を聞いたり音源を部分的に再生したりして、まずは「読めない単語はない」という状態を目指しましょう。

 

 

この音読の段階でつっかえる単語が、その段階で「自分が新しく知った単語」であったり、「読み方が曖昧だった単語」になるわけですね。

 

 

④ 音声を再生し、文字を見ながら音声の後を追いかけるように発音する。

 

音読が終わったら、文字を見ながら音声の後を追いかけるように発音していきましょう。

ポイントは音声を良く聞いて、そのままリピートするようにすることです。

ネイティブが読む音を良く聞いて、「単語の音」や「音の繋がり」、そして「リズム」に意識を向けましょう。

 

例えば、

He wakes up. の「s」は「ウェイクス」と読むのに対し、

He sees the sun rise.の「s」は「シィーズ」と読み、同じ「s」なのに音が違うことが分かります。

 

また、 His shirt is blue.のshirtは「シャー」しか聞こえず、「t」の音がほぼ読まれていないことが分かります。

カタカナにつられてshirtは「シャツ」と認識してしまっていると、聞き取れるようになりません。

カタカナと本来の発音のギャップに気を付けて聴いていきましょう。

 

さらに、繰り返し聞いてリピートしていくと、「強く読む単語」と「弱く読む単語」の区別が分かってきて、英語のリズムが捉えられるようになります。

日本語では平坦に読むことも多くありますが、英語では強弱のリズムがあります。

単語の繋がりやリズムに注意して、音声に続いてスムーズに読めるようになるまで、何度も繰り返し練習していきます。

 

 

繰り返し練習していくうちに、自分の変化に気付けて楽しい部分です!

 

 

⑤ 音声を再生し、何も見ないで音声の後を追いかけるように発音する。

 

最後に、音声を再生し、何も見ないで音声の後を追いかけるように発音していきましょう。

手元に情報がないため、耳からの情報が全てになります。

 

ポイントは耳から聞き取ったことをそのまま口に出すように意識することです。

 

この段階では内容を理解しているため、次にどんな文が来るのか分かってしまっていますが、内容を先取りして準備することなく、あくまで流れてきた英語に反応するように練習していきます。

 

頭の中で意味を理解しながら、聞き取った音声にすぐ続いて言えるようになればOKです!

 

 

どれくらい練習すれば良いのか?

 

シャドーイングの手順は分かりましたが、大変そうですね…。1日でこれをやるんですか?

 

いいえ、ここまでの①~⑤を1日で一気にやる必要はありません。

 

じっくりと時間をかけて、1つの教材に3~4日間取り組むことがおすすめです。

 

目安としては

・1日目:①~④の途中までをやる(20~30分)

・2日目:④が完璧になるように繰り返す(20~30分)

・3日目:④の復習を数回して、⑤にチャレンジする(20~30分)

といった具合に進めていくと良いですね!

 

1日20~30分でも、シャドーイングの練習をして一つ一つ聞き取れる音を増やしていくことで、確実にリスニング力が高まっていきます。

 

浅く次々と教材を変えて行うよりも、1つの教材に時間をかけて100%聞き取れる状態に近づけることを意識して練習していきましょう!

 

 

英語初心者のシャドーイング練習に使えるおすすめ教材

 

続いて、シャドーイングにおすすめの教材をご紹介します。

 

始めのうちは、「30秒~1分」くらいの音源を利用することがおすすめです。

動画の一部分を切り取って練習することも効果的です。

 

具体例をいくつかご紹介します!

 

① ESL fast

 

まずはESL Fastという無料の学習支援サイトです。

 

初心者用から上級者用までレベル別に多数の動画がまとまっており、自分のレベルを確認しながらどんどん利用することができます。

 

完全無料なので、シャドーイングのトレーニング出だしに向いているかと思います。

 

② シャドーイング用の書籍

 

初心者向けのシャドーイングに特化した書籍ではこちらの2冊がおすすめです。



 

こうした書籍を利用するメリットは、一から体系立ててシャドーイングの練習ができることです。

優しいステージから始まり徐々に難易度が増していくため、自分に程よい負荷をかけることができます。

一冊をみっちりと仕上げるころには、シャドーイングのコツをしっかり抑えられていることと思います!

 

どちらも解説がとても丁寧で、練習する題材も充実していますよ!

 

 

③ 英検の過去問

 


英検の過去問を用いることも非常に有効です。

英検のリスニングテストでは様々なトピックや会話シーンに触れることができます。

また、各級によって使用される単語数が決まっており、自分の語彙力を確かめることにも繋がりますね!

 

目安としては

英検3級・・・中学修了レベル

英検準2級・・・高校1年生修了レベル

となります。

 

過去問集には6回分の過去問題が収録されており、全てのリスニング問題にスクリプトが付いています。

6回分の過去問題があれば、シャドーイングの教材としては十分な量です。

試験なので題材に面白みはあまり感じられませんが、様々なトピックや単語に触れられるため、個人的には一番おすすめです。

 

過去問を買ってしまえばスクリプトを書き移す手間も一切なくなりますし、英検の対策にもなって一石三鳥です!

 

④ 子供向けのアニメ

 

YouTubeを活用しながら、子供向けのアニメを使うことも有効です。

30秒~1分くらいで自分の好きなシーンなどを切り取ってシャドーイング材料にしてみましょう。

 

ジブリやディズニーなど、自分にとって面白い題材を選べるため、継続しやすいです。

自分の好きなことと語学学習を繋げることはモチベーションアップに繋がります!

 

その反面、

・シャドーイングに使えるシーンを見つける手間がかかること

・速度が速い場合があること

・スクリプトを書き起こす必要があること

 

といったデメリットがあります。

 

正しくシャドーイングをしてリスニング力を高めよう!

 

この記事ではシャドーイングの効果的なやり方とおすすめの教材についてご紹介しました。

 

① まずは1、2回音声を聞く。

② 原稿をノートに書き出し、分からない単語を調べて意味を抑える。

③ 音声無しで2、3回音読する。

④ 音声を再生し、文字を見ながら音声の後を追いかけるように発音する。(できるようになるまで繰り返す)

⑤ 音声を再生し、何も見ないで音声の後を追いかけるように発音する。(シャドーイング)

(頭の中で意味を理解しながら、音に続いて言えるようになればOK!)

 

こうした手順を踏んで数か月間トレーニングを重ねていけば、必ず聞き取れる単語が増えてリスニング力がアップしていきます!

シャドーイングは慣れてくれば自分ひとりでどんどん力を付けていくことができます。是非、実践してみて下さいね!

この記事が英語学習を頑張る方へ何か参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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ではまた!

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