英語教育

【英語の言語活動】AccuracyとFluencyの違いを解説

2019年10月8日

こんにちは、タカヒロです。

 

(英語教員)言語活動の「accuracy」と「fluency」って何だろう?

 

こうした疑問にお応えしていきます。

近年の「コミュニケーション重視」「アクティブラーニング」という流れを受けて、授業の中で生徒を動かす言語活動を多く取り入れるようなっています。

しかし、言語活動を取り入れる際には、その言語活動がAccuracy重視なのか、Fluency重視なのかを考える必要があります。

 

この記事では、言語活動におけるAccuracyとFluencyとは何なのか教員はどんなことに気を付ければ良いのかについて解説していきます。

 

 

言語活動におけるAccuracy, Fluencyとは何か

 

Accuracyとは、英語パフォーマンスの中でエラーを避ける能力のことを言い、複雑な文を構成して話すことや自信のない表現などを避けて、「正確性」を高めることを言います。

 

例えば、

・新しい文法パターンの習得

・ボキャブラリー、発音の確認

などの活動はAccuracy重視の活動にあたります。

 

 

Fluencyとは、正確性よりも「意味」に重点を置き、テンポよく言語を運用する能力のことを言います。

 

例えば、

・ディスカッション

・プレゼンテーション

などの活動はFluency重視の活動にあたります。

 

どちらが良い悪いではなくて、両方のバランスを考えていくことが重要です。

教員にとっては、生徒の言語習得段階に合わせて、彼らが必要としている活動をタイミングよく取り入れていくことが大切です。

 

では、生徒の習熟度ごとに、どのようにAccuracyとFluencyのバランスをとれば良いのでしょうか。

 

AccuracyとFluencyのバランスについての調査

 

私は大学院留学時に、Investigating Classroom  Practice というモジュールを取っており、AccuracyとFluencyをテーマに、4つの語学学校の授業を見学してきました。

 

1つはelementary level、2つはintermediate level、残る1つはadvanced levelのクラスにお邪魔し、授業で行われた言語活動を分析しました。

 

調査した目的は、

・英語能力別のクラスごとに、先生方が取り入れているAccuracy重視の活動と、Fluency重視の活動のバランスに変化があるかを調べること

・言語活動時間をどれくらい確保しているかを調べること

でした。

 

下の図はelementary levelクラスの言語活動と活動時間をまとめたものです。

f:id:ToyT810:20191007221827p:plain

4つのすべての授業で同じように活動を分析していきました。

すると、

f:id:ToyT810:20191007224603p:plain

上の図のように、elementary levelやintermediate levelではAccuracyの方に重きを置き、advanced levelではFluencyの方にも力を注いでいることが分かりました。

 

この調査から一番伝えたいことは、

原則、英語の習熟度が低いのであれば、Accuracyに重きを置き、英語の習熟度が高いのであればFluencyに重きを置いた方が良いということです。

 

英語の習熟度が低いうちは欲張らずAccuracyの活動で基礎力を付けていくことに重きを置き、英語の習熟度が高まってきたら、ミスを恐れないで意味を伝えることを意識させてFluencyの活動を取り入れていくというのがスムーズだと考えられます。

 

言語活動を使い分ける際に注意したいこと

 

言語活動を使い分ける際に注意したいことは、

 

・Accuracyの活動 ➡ 文法の使い方や発音など、多少細かいことにもしっかりと修正を伝えること 

・Fluencyの活動 ➡ 細かいことは気にせず、ミスしても良いからテンポよく英語を使えるような雰囲気を作り出すこと

です。

 

中学生の段階では特に多くなるであろうAccuracyの活動で、教員が生徒のエラーを訂正せずにただ活動させるだけになってしまうと、あまり意味がありません。

活動の後には全体にフィードバックとして、良い会話を行っていたペアの紹介、活動中多かったエラーの説明などを行うと効果的です。

 

一方Fluencyの活動では、細かいことを注意したくなっても、そこは目をつぶり、生徒が精いっぱい表現しようとしていることに耳を傾けるようにしましょう。

 

 

AccuracyとFluencyを意識して、学びある活動にしていこう

 

自分の生徒の英語力を理解し、段階に合わせて言語活動を取り入れていくことが授業のクオリティを決めていきます。

「活動あって学びなし」という状況を避けるためにも、自分が行う一つ一つの活動が、Accuracy重視なのか、Fluency重視なのかを考えながら授業で実践していきたいですね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

こちらの記事では、中学英語の授業で役立つ情報をまとめて紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

>>【中学英語の教え方】新任教師の授業作りに役立つ7つの情報

ではまた!

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