Bright 英語教育

イギリス大学院でTESOL(英語教授法)を履修した、英語教育とイギリスをこよなく愛する高校教師が、英語教育、英語学習、イギリス留学関係、その他諸々を書き綴っていくブログです。日本のbrightな英語教育を思い描きながら…。

英語 言語活動の種類 Accuracy?Fluency?

こんばんわ。

二学期も中間テストシーズンに入ってきました。行事も盛りだくさんの時期でお忙しいかと思いますが、頑張っていきましょう!

さて、近年の「コミュニケーション重視」「アクティブラーニング」という流れを受けて、授業の中で生徒を動かす言語活動を多く取り入れていらっしゃる先生方がほとんどかと思います。

そのこと自体はとても素晴らしいことだと思いますし、いい方向に向かっていると思いますが、ただ言語活動を取り入れるだけでは物足りません。その言語活動がAccuracy重視なのか、Fluency重視なのかを考える必要があります。

え、Accuracyって何?Fluencyって何?と思った方は、是非この機会に覚えていただけたら幸いです。

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Accuracy, Fluencyとは

ざっくりとまとめると、

Accuracyとは、英語パフォーマンスの中でエラーを避ける能力のことを言い、複雑な文を構成して話すことや自信のない表現などを避けて、「正確性」を高めることを言います。新しい文法パターンの習得や、ボキャブラリー・発音の確認などの活動はAccuracy重視の活動にあたります。

Fluencyとは、正確性よりも「意味」に重点を置き、テンポよく言語を運用する能力のことを言います。ディスカッションやプレゼンテーションなどがFluency重視の活動にあたります。

 

どっちが良い悪いではなくて、両方のバランスを考えていくことが重要です。

良い先生の条件として、生徒の言語習得段階に合わせて、彼らが必要としている活動をタイミングよく取り入れていくことが挙げられています。

では生徒の習熟度ごとにどのようなAccuracyとFluencyのバランスが良いのでしょうか。

 

AccuracyとFluencyのバランスについての調査

昨年度の大学院留学時に、Investigating Classroom  Practice というモジュールを取っていて、AccuracyとFluencyをテーマに、4つの語学学校の授業を見学してきました。1つはelementary level、2つはintermediate level、残る1つはadvanced levelのクラスにお邪魔し、授業で行われた言語活動を分析しました。

調査した目的は、「英語能力別のクラスごとに、先生方が取り入れているAccuracy重視の活動と、Fluency重視の活動のバランスに変化があるかを調べること」、「言語活動時間をどれくらい確保しているかを調べること」でした。

 

下の図はelementary levelクラスの言語活動と活動時間をまとめたものです。

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4つのすべての授業で同じように活動を分析していきました。

すると、

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上の図のように、elementary levelやintermediate levelではAccuracyの方に重きを置き、advanced levelではFluencyの方にも力を注いでいることが分かりました。

 

この調査から一番伝えたいことは、

原則、英語の習熟度が低いのであれば、Accuracyに重きを置き、英語の習熟度が高いのであればFluencyに重きを置いた方が良いということです。

英語の習熟度が低いうちは欲張らずAccuracyの活動で基礎力を付けていくことに重きを置き、英語の習熟度が高まってきたら、ミスを恐れないで意味を伝えることを意識させてFluencyの活動を取り入れていくというのがスムーズだと思います。

 

注意したいことは、教師の役割として、

Accuracyの活動をするのであれば、文法の使い方や発音など、多少細かいことにもしっかりと修正を伝えることFluencyの活動をするのであれば、細かいことは気にせず、ミスしても良いからテンポよく英語を使えるような雰囲気を作り出すことです。

中学生の段階では特に多くなるであろうAccuracyの活動で、教員が生徒のエラーを訂正せずにただ活動させるだけになってしまうと、あまり意味がありません。活動の後には全体にフィードバックとして、良い会話を行っていたペアの紹介、活動中多かったエラーの説明などを行うと良いと思います。一方Fluencyの活動では、細かいことを注意したくなっても、そこは目をつぶり、生徒が精いっぱい表現しようとしていることに耳を傾けましょう。

 

自分の生徒の英語力を理解し、段階に合わせて言語活動を取り入れていくことが授業のクオリティを決めると言ってよいと思います。自分が行う一つ一つの活動が、Accuracy重視なのか、Fluency重視なのか、考えながら授業で実践していきたいですね。