こんにちは、タカヒロです。
英語学習を続けているけれども、
・単語帳を暗記することに必死になって、アウトプットに繋げられていない
・アウトプットはしているけれども、アウトプット出来る幅が広がらない
そんなお悩みに応えます!
どちらの悩みも、インプットしてからアウトプットするまでのプロセスに解決の糸口がありそうです。
英語学習にはインプットとアウトプットの両方が大切だとよく言われますが、
いったい質の高いインプット、アウトプットをするためには、どうすると良いのでしょうか?
この記事では、第二言語習得理論に基づき、
・効率的にアウトプットするコツ
・認知のプロセスを生かした効果的な学習方法
を簡単に解説していきます!
筆者の経歴
・中高教員8年
・イギリス大学院でMA TESOL(英語教授法 修士)修得
・独学で英検1級
・現在、私立大学、高校で非常勤講師

それではどうぞ!
Contents
効率的にアウトプットするコツ
まずは、インプットしてからアウトプットするまでに、どういった認知のプロセスを踏んでいくのかを紹介します!
認知のプロセスを理解することが、効率的なアウトプットに繋がっていきます。
インプットしてからアウトプット出来るまでのプロセスは、4つの段階に分かれます。
① 気づき(noticing)
② 理解(comprehension)
③ 内在化(intake)
④ 統合(integration)
の4つです!
順番に解説していきます!
① 気づき(noticing)
私達は、日常生活の中で、膨大な量の情報(インプット)に囲まれていますが、その全てに気づいているわけではありません。
電車に何となく乗っていても、社内に何の広告があったかはすべて覚えていませんよね。
目や耳から入ってくる情報に気が付いて初めて、認知のプロセスが始まります。
「○○って、英語でなんて言うんだろう・・・?」
そんな疑問を抱くことが始まりです。
まず「気付けるかどうか」でスタート地点に立てるかが決まってくるわけですね!
知覚された情報は、「短期記憶」に保持されます。
② 理解(comprehension)
短期記憶に保持された情報は、「理解」へと進んでいきます。
理解のステージは2つに分かれます。「浅いレベルの理解」と、「深いレベルの理解」です。
浅いレベルの理解とは、情報の意味だけを理解している段階を指します。
一方で深いレベルの理解とは、気づいた言語情報が、どのような形式でどのような機能を果たすのかを理解している段階を指します。
「○○って、英語でなんて言うんだろう・・・?」
と気づいて意味を調べて、
「ああ、こんな意味なのか!」
となったときが浅いレベルの理解です。
さらにそこから、
「この単語、他にどんな使われ方するんだろう?」
と調べを進めた段階が、深いレベルの理解です。
語学が苦手な人は、浅いレベルの理解で留まってしまう場合が多いのでは?と思います。
③ 内在化(intake)
次に、気づき、理解したインプットを学習者の内部へと取り込む段階へと移ります。
このステージは「内在化」と呼ばれ、すでに自分の知識として持っている情報と新しい情報(インプット)を比べます。
理解した単語を実際に使ってみて、「これで使い方は合ってるのか?」ということを仮説検証していきます。
覚えた単語を試しにネイティブとの会話に使ってみて通じるかどうかを確かめるのも、この段階です。
④ 統合(integration)
最後に、取り込んだ情報を「長期記憶」に保持する「統合」へ進んでいきます。
このステージでは、内在化で仮説検証していった知識を再構築して、処理の自動化が図られます。
「あ、ネイティブ相手に通じた!」
といった内在化での仮説検証を繰り返し使っていくことで、自分なりのアレンジが効く表現になっていくわけですね!
そうして晴れて、インプットしたものが自在にアウトプット出来るようになるわけです!
ここまでをまとめると、
インプット
↓
① 気づき(noticing)
② 理解(comprehension)
③ 内在化(intake)
④ 統合(integration)
↓
アウトプット
のプロセスがあります。
このプロセスは、第二言語を習得する上での原理原則です。
全てのインプットした知識がこのプロセスを経て、アウトプット出来るようになっていくわけです。
こうした認知のプロセスを知っておくことで、効果的な学習方法が見えてきますね!
認知のプロセスを生かした効果的な学習方法
なぜ留学に行って現地の環境に浸ると語学が伸びるのかを考えてみると、
こうしたインプット→アウトプットのプロセスを嫌でも繰り返さざるを得ない環境に身を置けるからと言えるかもしれません。
留学先では、
のループを作りやすくなります。
留学中、知らないうちにこのループを繰り返してアウトプット出来るようになっているわけです。
しかしこの理論に基づけば、日本国内であっても質の高い英語学習をしていくことが可能です。
要するに、この4つのプロセスを踏む学習をしていけば良いわけですね。
まず自分の学習振り返ってみて、
・単語学習ばかりに時間を使っている(「理解」→「内在化」に進んでいない)
・英会話でアウトプットのみを繰り返している (そもそもの「気づき」が少ない)
といったように、プロセスのどこかの段階で止まっていたり、偏っていたりすれば、学習の仕方を改善する必要がありそうです。
ではどんな学習が認知のプロセスを生かしたうえで効果的なのでしょうか?
おすすめの学習方法を二つ紹介します。
英語日記
一つ目のおすすめ学習方法は、「英語日記を書くこと」です。
英語日記を書くという作業は、実は留学と同様に、
「この単語、英語でなんて言うのか分からない…。」 (気づき)
↓
分からない単語を調べる。(理解)
↓
試しに日記の中で使ってみる。 (内在化)
↓
繰り返し使ってみることで、自分の表現になっていく。 (統合)
といったように、インプット→アウトプットのプロセスを綺麗に経ていきます。
よって認知の面から見て非常に効果的な学習方法だと言えると思います。
英語日記では自分の興味関心のあることについてアウトプットに繋げられる点も大きなメリットです。
英語日記に関しては、こちらの本がとても勉強になります!
著者の新井リオさんの考え方にも共感する部分が多く、とてもおすすめです!
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
続きを見る
【英語を独学する人必読!】英語日記BOYを読んだ感想
TEDトークのシャドーイング
二つ目のおすすめ学習方法は、「TEDトークのシャドーイング」です。
こちらも多くの英語学習のエキスパートが効果的だと語っている方法であり、やはり学習効果は高いように思います。
具体的には
1、TEDトークを通して見て、使えそうなフレーズ、印象に残ったフレーズを含むパラグラフを書き出す。(気づき)
2、パラグラフ内で知らない単語、フレーズの意味を調べて確認する。(理解)
3、パラグラフをほぼ暗記する勢いで、音読を繰り返す。(内在化)
(イントネーションなどが分からなかったら動画を見て、シャドーイングを挟む)
4、動画の音声を消し、スピーカーになり切ってスピーチする。(統合)
といった方法がおすすめです。
1が気づき、2が理解、3が内在化、4が統合。
こちらも綺麗に4つのプロセスを踏んでいます。
より詳しくはこちら記事でも紹介しています。
続きを見る
【英語学習】リスニングが上達しない原因とおすすめ勉強法3選
スピーチを練習して言えるようになるとそれだけでも嬉しいですし、使えるフレーズが増えたな!という実感が掴みやすいので、とてもおススメです!
まとめ
インプットだけしても英語は使えるようにはなりませんし、
アウトプットに偏り過ぎても、英語で表現が出来る幅は広がっていきません。
大切なことは、
・その4つのステップをしっかり踏んでいく学習に時間をかけること
です。
そのプロセスさえしっかりと理解していれば、具体的な学習方法は個人の好み次第でいくらでも作れるように思います。
ぜひ、こういった理論を意識しながら、効率的に英語の学習を行っていきましょう!
今回はこちらの本を参考にしました。
こういった本は研究者・教員向けに書かれたものが多いのですが、こちらの本は「学習者」向けに書かれたものなので、英語学習に興味のある全ての人におすすめです!
この記事が英語学習を頑張る方への何かの参考になれば幸いです!
ではまた!