Bright 英語教育

H30年度 イギリスブライトン大学でTESOL(英語教授法)を履修した公立高校教師が、英語教育について感じたこと・学んだこと、その他諸々を書き綴っていきます。 日本のbrightな英語教育を思い描きながら。

【話す活動】 ストーリーリテリングのすすめ

f:id:ToyT810:20200416143105j:plain

 

 

休校を余儀なくされ、「新学期の授業、何か変化させたいけれども、何をしようかな、、、」とお考えの先生方も多いのではないでしょうか??


結果的に授業再開まで時間が出来た今が、自分の授業を見つめなおすチャンスなのかもしれません。

そこで、私がとても気に入っている「ストーリーリテリング」の活動を紹介します。

 

ストーリーリテリングとは、簡単に言うと、「キーワードや絵を参考にして、学習した英文を自分なりに再生する活動」です。

なかなかハードルが高いように聞こえますが、ちゃんとステップを踏んでいけば、さほど難しくはありません。

時代の流れにもあっている、良いところ尽くめの活動だと思います。

 

まず、自分が中学校2年生を対象に行っていた授業の流れを紹介します!

 

ストーリーリテリングまでの授業の流れ

 

・進出単語の意味を調べてくる
・本文を読解し重要箇所(教師側に指定する)を訳してくる
ということを予習としてノートにやらせてきます。

取り扱う文法に関しては前時に導入済みの状態です。

 

1 新出単語を確認する(3分)

 自分で読めない単語、意味の分からない単語があっては活動がスムーズにできません。

まずは先生主導でコンパクトに新出単語を確認します。

 

2 学習する本文を導入する(5分)

  私の場合は、付属のピクチャーカードを元に、紙芝居をしながら本文を導入します。

一周目は普通に教員が通して読み、二周目は教員が文の途中で止め、その続きを生徒に言わせます。

三周目は教員が出だしのみを読み、その続きを生徒に言わせます。

二周目、三周目では教員はピクチャーカードの該当箇所を指差しながら、口パクをして補助します。

こうやって導入すると、教科書全体の内容を大まかに英語だけで導入できます。

その後、英語で2つ、3つ簡単な内容理解の質問をします。

ここまでは英語オンリーでやることに拘っています。

 

3 音読指導を充実させる(10分)

 続いて教科書を開かせて、どんな英文だったのかを目で確認させていきます。CDを一回通して流し、その後教員の後にリピートさせて本文を音読していきます。

私の場合は、次にペアで交互読みを2周、終わったら個人で3分間音読タイムを設けて、ひたすら音読をさせます。

教員は机間指導をして、英語が苦手な生徒の補助に入ります。

生徒同士でも分からないところは聞き合うという雰囲気を作っておくと、教員側も楽です。

 

4 内容理解やQ&Aを行う(5~10分)

 私の場合はパワーポイントを使いながら、重要表現、重要文法事項の確認をします。

ここは日本語の方が効率が良いし、生徒も理解しやすいので日本語です。

ポイントは重要な文はしっかり解説しつつ、全体的には手短にササっと行うことです。

10分以内がベストです。

 

 

5 ペアで穴埋めプリントを用いて活動させる(10分)

 穴埋めプリントを配布し、ペアでリテリングの練習をします。

 

f:id:ToyT810:20200416145437j:plain

写真①

 

f:id:ToyT810:20200416145523j:plain

写真②


プリントの表には写真①を裏には写真②を印刷しておきます。

一人が奇数番号の文、もう一人が偶数番号の文と、交互に読み合っていきます。

自分たちのペースで何度も何度も読ませます。

左側の絵に指を差させて、どこを読んでいるのか理解しながら読むよう指導します。

だいたい読めるようになってきたら、いよいよ裏面のキーワードのみのプリントを使って本文を再生していきます。

プリントの表に戻ったり、教科書に戻ったりしながら何度も何度も読ませます。
 

6 先生の所へ来て、指定された写真を再生する(10分)

 そこまで出来てきたら、いよいよ教員のところへペアでやってきて、発表をします。

黒板には導入で使ったピクチャーカードを貼っておいて、教員が一つの絵を指定します。

生徒は指定された絵に関して、黒板のピクチャーカードを指さしながらペアでリテリングしていきます。

チェックのポイントは、主語+動詞といった文の骨格がしっかり組み立てられていること、進出単語を含め、理解可能な範囲で英語らしい発音で読めていること、です。

学習した文と全く同じに再生する必要ありません。

要は「絵の内容を、自分なりに英語で説明できている」となればタスク完了です。

教員から合格を貰ったペアは、苦手にしている生徒たちのスモールティーチャーになります。

本当は写真を指定せずに全部再生させたいですが、時間の関係上出来ていません、、、。

しかしどこを指定されるから分からないので、生徒は全部を練習して出来る状態になっている必要があります。

 


さて、このような形で私はストーリーリテリングを行っていますが、どんなメリットがあるのでしょうか?まとめてみました!

 

 

ストーリーリテリングを行うメリット

 

アウトプットすることを念頭に置いてインプットすることができる

 生徒がどういう時に効果的に単語や熟語をインプットするのかというと、

それは「その単語や熟語をどうしても表現活動に使わなければならないとき」、

もしくは「その単語や熟語の意味を知らないと、今目の前にある情報を読み取れないとき」です。

ストーリーリテリングでアウトプットすることが事前に分かっていれば、進出単語を確認したり本文を導入する時点から、生徒のインプットの質が高まります

英語が得意な生徒は導入時点で3回読んでだいたいストーリーリテリングできてしまうほど、集中してインプットします。

 

クラスが活発になる

 ストーリーリテリングは2回に1回の授業で行っていますが(もう1回は新出文法に特化した授業)、ストーリーリテリングの授業では後半の20分はずっとペアでの活動です。

先生が長時間説明しても、生徒の実質的な英語力は伸びていきません。

トレーニングの時間をどれだけ確保できるかが勝負だと思います。

後半20分はずっとわちゃわちゃしながら、それぞれ自分のペースで活動します。

他のクラスに何してるんだ?と思われるかもしれませんが、特に気にしません笑。(騒音レベルだったらそれは問題ですが、、、。)

何回かやっていくうちに生徒も慣れて要領を掴んできます。

慣れてくると益々アクティブに活動します。

読めるようになって合格すると達成感を味わえて、モチベーション維持に繋がる

 日本では現状生徒にとってはなかなか英語を使う機会がないので、授業の中で、「英語を使って何かを行い達成感を味合わせる」ということは非常に重要だと思います。

スモールステップで「できた」という体験を積み重ねていくことが英語学習のモチベーション維持に繋がると思います。

英語で何かをやって認められたら嬉しいですしね。

また多くの生徒は、受験勉強も大切だけれども、英語を話せるようになりたいという願望を持っているので、ガンガン言葉を発して、自分で言える表現を増やしていくということは、生徒の要望ともマッチしているところが多いです。

 


というわけでいい所づくしのストーリーリテリングの活動、是非新学期に取り入れてみてはどうでしょうか!?