こんにちは、タカヒロです。
そんなお悩みに答えます!
初任者にとっては授業をどのように進めていくかは大きな悩みの種ですよね。
僕も初任者の時は目の前の生徒達に合わせてどう授業をしていくか常に悩んでいました。
そこで今回は、授業の流れをワンランク上にするために心掛けておきたい【PCPP】というモデルをシェアしたいと思います!
この記事で分かること
授業の流れを作る上で重要な【PCPP】について
➡ 授業作りの骨格が理解できる
➡ 生徒にとって分かりやすい授業には何が必要なのか理解できる
➡ 教科書の使い方を改善できる
こんな方におすすめ
- 初任でどのように授業をしていこうか悩んでいる
- 生徒の実態に合わせて授業を改善していきたい
- 具体的な活動アイデアが欲しい
- 教科書をどう活用していこうか悩んでいる
筆者の経歴
・公立中学教諭 6年
・イギリス大学院でMA TESOL取得
・公立高校教諭 2年
・現在、私立大学・中高で非常勤講師
この記事を読めば、授業のつくり方における骨格作りが楽になりますよ!
それではどうぞ!
Contents
【中学英語】授業の流れはPCPPモデルで圧倒的に分かりやすくなる
タイトルの通り、英語の授業を作る上では、PCPPというフレームワークを理解しておくことがかなり重要です。
PCPPとは
PCPPとは
・Presentation (提示)
・Comprehension (理解)
・Practice (練習)
・production (産出)
の頭文字をとった言葉です。
以前はPPPが使われていましたが、
Comprehensionの「C」が加わり、最近はPCPPと呼ばれるようになりました。
なぜPCPPが重要なのか
PCPPが重要な理由は、
「PCPPが授業の流れを決めるから」です。
ほとんどの学校では50分の授業ですが、
その50分をどのような流れで使っていくかが授業の質を決めます。
授業の流れを作っていく上で、
PCPPのフレームワークを頭に入れておくことが非常に役立ちます。
逆にPCPPのフレームワークに沿って授業をしていけば、
それだけで流れのある授業にしていくことが出来ます。
PCPPを意識するだけで「授業の骨格」を作っていくことが出来るわけです!
PCPPがある授業は生徒にとって分かりやすい
またPCPPがしっかりしている授業は、
それだけで生徒にとって分かりやすい授業になっていきます。
生徒が英語を習得していく過程には
【気づき → 理解 → 内在化 → 統合】
という段階が存在していますが、
・Presentation (提示) ➡ 気づき
・Comprehension (理解) ➡ 理解
・Practice (練習) ➡ 内在化
・production (産出) ➡ 統合
といったように、
PCPPが英語を習得するそれぞれの段階にぴったりと対応しているからです。
-
インプットした英語が効率的にアウトプット出来るようになる方法2選
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それではPCPPについて具体的にみていきます!
PCPP
Presentation(提示)
最初のPresentationでは、
題材内容がいかに生徒に繋がっているか
を生徒に示します。
「なぜ今日この題材を学ぶのか」
「学ぶことで何ができるようになるのか」
を示します。
具体的な活動例は「oral introduction」です。
oral introductionで気を付けたいことは、
生徒が知っている知識と、まだ知らない知識を結び付けることです。
例えば、世界遺産が取り上げられている教科書の内容であれば、
①生徒が知っている世界遺産を挙げさせ、世界遺産への興味を誘います。
②生徒が知らないであろう世界遺産を少し紹介して(自分が行ったことのある場であればなお良いです)、さらに興味を誘います。
③教科書で取り上げられている世界遺産のoral introductionに移ります。
たったそれだけの工夫で、
教科書で学ぶ世界遺産に対する意識づけが変わってきます。
まずはPresentation(提示)で、生徒が何を知っていて、何を知らないのかを気付かせましょう。
Comprehension(理解)
Presentationで授業に対する意識づけが出来たら、Comprehensionへ移ります。
Comprehensionでは
情報やメッセージを理解する活動を組み込むこと
を意識します。
具体的な活動例は「教科書本文のlistening、reading」になります。
先ほどの「世界遺産」の例でいうと、
「なぜ世界遺産となっているのか、その理由を探ってみよう」
といったように問題提起したうえで読ませることで、
教科書本文から情報を読み取る意識を作り出すことが出来ます。
そうすることで、必要な情報を検索しながら読むスキャニングに繋がっていきます。
この段階では、
・ざっと概要を読み取るスキミング
・必要な情報を検索しながら読むスキャニング
・語句のまとまりを意識しながら読むスラッシュリーディング
・重要な語句をとらえながら読むキーフレーズ読み
・理解度確認に関する簡単なQ&A
など、様々な取り組みが考えられます。
授業の狙いに合わせて取り入れていきましょう。
Practice(練習)
本文を読んで「理解」をしたところで、Practiceに移り、「内在化」を目指します。
「練習」を省いて言語運用能力を伸ばすことは不可能です。
Practiceの段階を経て、
文法の操作能力が高まったり、音と文字が繋がるということが期待できます。
具体的な活動例としては
・read and look up
・parallel reading
・shadowing
・ペア reading
などが挙げられます。
どんな活動を取り入れるかは、先生方の考え方によりますが、個人的にはペアになって、交互に音読していくペアreadingが気に入っています。
ペア readingでは、
・交互に読むことで、分からない単語はペアで確認しながら練習できますし、サボることは基本出来ません。
・教員は机間指導して、苦戦しているペアのお助けが出来ます。
・「ペアで2周読んだら着席する」というシステムにすれば、ちょっとした競争意識や緊張感が作れ、教員側は不得意なペアを発見することもできます。
文法にフォーカスした授業であれば、
使わせたい文法を基にしたペア活動、グループ活動を取り入れるのもありですね!
production(産出)
最後に、productionに移ります。
productionでは、
題材内容を自分の英語で再生、要約したり題材内容について考えたことを学習した事柄を応用して表現したりすること
を意識します。
具体的な活動としては、
・Q and A
・story retelling
・summarizing
などが挙げられます。
私はstory retellingを気に入って行っています。
story retellingを行うことで、【文字・音・意味】を連結させてアウトプットすることが出来ると考えています。
詳しくは下の記事をご覧ください。
私が作成して使っていたワークシートも付いています。
-
【話す活動】中学英語の授業で使えるストーリーリテリングのやり方
続きを見る
productionでの活動を通して、生徒は自分の言語知識の不足部分を認識します。
そして「内在化 している言語知識」を増やしさらにその正確さを向上させようとしていきます。
自分が既に知っていることと、新しく学んだことを「統合」していくわけです。
そこの場で教員が適切なフィードバックを生徒に与えられたら最高です!
まとめ
まとめると、
・Presentation (提示) ➡ 既知・未知の気づきを与える
・Comprehension (理解) ➡ 情報・メッセージを理解させる
・Practice (練習) ➡ 目標の言語項目を練習して内在化させる
・production (産出) ➡ 既知のことと学んだことを統合させる
PCPPを意識して授業を見直していけば、間違いなくワンランク上の授業になっていきます。
授業で行っている活動がPCPPのどの段階にあたるのかを考えながら、授業を実践していきましょう!
今回はこちらの書籍を参照しました。
英語学習法・指導法のヒントが詰まった良書です。
またこちらの記事【絶対に役立つ!】英語教員が持っておきたいおすすめ本のまとめでは、英語教師が読んでおきたい本を紹介しています。
是非合わせてご覧ください!
今回は以上です。ではまた!